AI

2024.08.08 15:45

AIで好奇心を刺激し、「検索」を進化させるパープレキシティ

話題のAI搭載型検索エンジン開発企業「パープレキシティAI」を率いるアラビンド・スリニバスCEO Courtesy of SoftBank

──人は自らの好奇心をどう表現すればいいのか、充分にわかっていなかった、と。
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スリニバス:「賢人とは質問に正しく答える人ではなく、正しい質問を知っている人である」という名言があります(編集部註:仏人類学者クロード・レヴィ=ストロースの言葉とされる)。あるいは、「あなたを啓発するのは答えではなく、あなたがする質問なのだ」という名言もあります(編集部註:ルーマニア生まれの仏劇作家ウジェーヌ・イヨネスコの言葉とされる)。既成概念を根本的に変えるような、真に優れた問いを立てるのは簡単なことではありません。それをできる人はそんなにいないのです。だからと言って、それが好奇心を追求することを阻むボトルネックになってはいけません。人々がAIサービスの恩恵を受ける際のハードルであってはならないのです。私たちは、「発見エンジン」のようなものが、次の自然なステップになるのではないかと考えています。質問せずに、アプリで気軽に学べる。それこそ、本当に初歩的な質問から始めてもいいかもしれません。

試しに、パープレキシティが回答の末尾に提供するフォローアップのための質問候補を見てみてください。「それは面白いかも! 試しにクリックしてみよう」と思うかもしれません。質問を考えたり書いたりするのは、案外、エネルギーを使うものです。質問をクリックし続けるうちに、『不思議の国のアリス』のアリスみたいにウサギの穴に転がり込んでいくわけです。ウィキペディアがまさにそうですよね? クリック、クリック、クリックと、リンクを開き続けるうちに、「おっと、2時間もムダにしちゃったけれど、少しだけ賢くなったかも」という経験をしたことはありませんか? インスタグラムを2時間も見るのとはわけが違います。私たちは社内で、これを「知識版TikTok」と呼んでいます。これが、回答エンジンから発見エンジンに進化する、次のステップになるでしょう。

──ユーザーの知的好奇心を刺激したい、という位置付けが面白いですね。
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スリニバス:パープレキシティAIは、根源的な人間の精神と通じ合おうとする会社だと私は思っています。私たち人間を特別な存在にしているもの、それは生来の好奇心ですよね? AIはいずれ、私たち人間が得意としていることの多くをこなすようになるでしょう。エッセイを書き、芸術作品を作り、良質なコードを書くようになります。「AIにはとてもムリだ」と言えるような職業はないはずです。そんな職業を予測するのはとても難しい。しかし、AIにもできるかどうか、何の兆候もないものの一つに「好奇心」があります。画像生成モデルや音声生成モデルはどれも素晴らしい。でも、ストーリーを生成しているのは誰か? プロンプト(指示・質問)を生成しているのは誰か? そもそも、好奇心をもつのは誰か? すべて、あなたなのです。
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文 = 井関庸介

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