ピンクムーンの満月が過ぎた今週は、月の出が毎晩遅くなって週末には夜半を回る。その間、2つの流星群が出現期を迎え、明け方の空で金星、土星、水星が共演する。4月第3週の夜空の見どころを紹介しよう。
4月17日(木):4月こと座流星群が出現
1月以来となる流星群が短期間ながら夜空を彩る。「4月こと座流星群」の出現期は、米航空宇宙局(NASA)によると4月17日~26日だ。極大は22日夜と予測され、翌23日未明にかけてが見ごろとなる。だが、今週中も夜空を眺めていれば、おそらく1つか2つの流れ星を見る機会があるだろう。観測には晴天と暗い空が不可欠で、今週中は月明かりが少々厄介ではある。極大時には1時間に18個ほどの流星が出現し、明るい火球も時折現れるので期待したい。

4月19日(土):金星、土星、水星が共に昇る
夜空に複数の惑星が同時に見える「惑星パレード」をめぐる熱狂は3月、日没後の西の空に輝いていた土星と金星が太陽のまぶしさの中に姿を消したことで鎮静化したが、この2つの惑星がこんどは夜明け前の空で再び共演する。早起きして日の出の約45分前に東の低空を見ることができれば、すぐそばに水星も見つけられるだろう。

太陽に最も近いため薄明の短い時間しか肉眼で見えず「すばしっこい惑星」の異名をとる水星を観測するには、年内でも指折りの最適なタイミングといえる。ただ、金星のほうが簡単に見つかる。双眼鏡を使うなら、目を守るために朝日が昇る前だけにしよう。
4月20日(日):みずがめ座η流星群が出現
今週に出現期を迎える流星群は、4月こと座流星群だけではない。ハレー彗星を母天体とする「みずがめ座η(エータ)流星群」は、1年のうちでも特に出現期の長い流星群のひとつだ。NASAによれば5月21日ごろまで観察でき、極大夜は5月3日夜~4日未明とみられる。北半球では極大時には1時間に約30個、南半球では60個程度の流星が出現する。

なお、20日は月の出が夜半を回るため、夜中まで月明かりがない。この夜以降しばらくは星空観察に理想的な条件がととのう。
今週の星座:うしかい座
うしかい座はあまり有名ではないが、北半球では夏の間よく見える星座だ。見つけるのは簡単で、この時期、暗くなると北の空高く昇る北斗七星が手掛かりとなる。
「ひしゃくの柄」のカーブをそのまま伸ばしていくと、東の方角で金色に光る明るい星に出会う。これが、うしかい座の一等星である赤色巨星アルクトゥルス(アークトゥルス)だ。この星を中心として、うしかい座はカクテルグラスのような形に星が並んでいる(注:日本ではネクタイの形にたとえられることが多い)。昔の人はそこに、牛の群れを追う牧夫の姿を見たようだ。
