AI

2024.08.08 15:45

AIで好奇心を刺激し、「検索」を進化させるパープレキシティ

話題のAI搭載型検索エンジン開発企業「パープレキシティAI」を率いるアラビンド・スリニバスCEO Courtesy of SoftBank

──最大手のシェアを狙いに行っているのですね。ところで、アップルや、近年のマイクロソフトといったビッグテックはセキュリティやプライバシーに注意を払い始めています。この点について、パープレキシティではどのように考えていますか?
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スリニバス:最も大切なのは、ユーザーに対して正直であることです。言っていることと、やっていることが違ってはいけません。ユーザーは必ずしも、企業がデータを収集することに対して否定的ではありません。企業がユーザーに対し、「当社は、あなたの体験を向上させるためにデータを収集しています。私たちが収集するデータは○○です。収集する方法は○○です」とオープンでさえあれば、サービスを利用するかどうかをユーザー自身で決められますから。それでデータを共有することにオプトインしたのなら、両者の考えは一致したわけです。

ユーザーが望まないのは、企業の言行が一致しないことです。データを収集しているにもかかわらず、それを隠す。そして、集め続ける。それがイヤなのです。ほとんどの人は、「データをまったく収集しないでほしい」とは言いません。逆に、自分にパーソナライズされたUXや広告を好む人もいます。最適化されていると、“魔法”のように知りたい情報が効率よく入手できるからです。自分のことを本当にわかってくれているような感覚にさえなります。重要なのは、企業がもっと透明性を高め、ユーザーとコミュニケーションを取ることではないでしょうか。
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AI検索スタートアップ、新機能で他社のニュースコンテンツを直接盗用か

──米Forbesのペイウォールで保護された有料記事を「回答」として使用した問題ですが、批判に対応する一方で反論もしています。これは技術的な問題で、解決可能なのでしょうか?

スリニバス:この件については3つの論点があると、私たちは考えています。1点目は、インターネット上で他人のコンテンツを使用する場合、それを引用するべきだという点です。引用というかたちを取らなければ、剽窃になります。パープレキシティでは、引用して出典を表示しています。それがコア製品の回答であろうと、特定の話題に関するコンテンツを集める「Perplexity Pages(パープレキシティ・ページズ)」のような記事ジェネレータであろうと、すべての製品で引用先の出典を明記しています。2点目は、著作権についてです。「事実の表現」「真実の表現」には著作権があります。しかし法律上、「事実」そのものに著作権はありません。いったん報道されれば、そこには一定の真実が存在します。そして、その真実を他の人々も伝えることができます。パープレキシティの回答は、記事の内容をまるごと使ってはいません。私たちにとって、この2点は重要です。
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文 = 井関庸介

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