Nintendo Switch 2はヒットする可能性が高いとはいえ、最近のゲーム関連ニュースの中でも最悪の部類に入る発表が続いている。
まず、本体の価格が450ドル(日本におけるメーカー希望小売価格は税込4万9980円)と大方の予想を上回る金額だった。また、『マリオカート ワールド』の80ドル(日本におけるパッケージ版の価格は税込9980円)という価格は、他のどのゲームよりも高い金額だ。そして、Switch 2を買う余裕がなければ、従来のSwitchを使えばいいという米国任天堂社長のダグ・バウザーの言葉には驚いた。
さて、上記と同じくらいファンを困惑させ、イライラさせられる例がもうひとつある。これは、古いゲーム(今回の場合は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』)の価格設定に関係している。
オリジナルの『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は60ドル(日本では税込6980円)で、追加コンテンツは20ドル(税込2547円)だ。後方互換性により、同タイトルはSwitch 2でもプレイできる。
ただし、パフォーマンスとグラフィックが向上したSwitch 2の「強化版」もある。従来のSwitchで同作を持っている場合、10ドル(税込1000円)を支払えば「アップグレード」できる。つまり、すべてを合計すると90ドルを支払うことになる。
オリジナルを持っていない場合、Switch 2版の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は70ドル(税込8678円)だ。しかし、これには8年前に配信された追加コンテンツは含まれておらず、追加コンテンツを遊ぶためには同じく20ドルを支払わなければならない。その場合の合計も90ドルだ。
任天堂のファンはこれに対して「欲深い」と口にしている。たしかに、この合計金額は追加コンテンツを別途購入した従来のプレイヤーが支払ったものと同じような金額ではある。しかし、今は2025年であり、2017年にWii Uでも発売されたゲームの「最終版」を販売する際、妥当な価格で購入できる「完全」なバージョンを用意しないことについて、ファンが憤慨するのも理解できる。これだけ古いゲームの強化版を遊ぶだけのために90ドルを支払うなど馬鹿げている。
任天堂が価格論争に巻き込まれるのはよくあることだ。しかし、同時期に2つの論争が巻き起こったこと、特に『マリオカート ワールド』の80ドルという価格に対して「それだけの価値があると思う」という説明以外に何もないことについては、正直冷めてしまう。従来のSwitchは300ドル(税込3万2978円)という価格で、クオリティの高いゲームを遊ぶうえで最も低いエントリーポイントの1つだった。しかし、Switch 2がこれほど高価格になったことで、任天堂はやや反消費者的になりつつあるとファンが考え、同社に対して色々と大目に見ることも少なくなるかもしれない。同社のこの傾向はファンにとっては残念なものだが、これがすぐに覆ることはなさそうだ。