宇宙

2025.05.02 11:30

スワン彗星が流れ、みずがめ座η流星群が極大を迎える 5月の夜空

米南西部ニューメキシコ州で、14インチ望遠鏡で捉えた「C/2025 F2(SWAN)」(スワン彗星)。2025年4月8日撮影(Lmmastro, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

米南西部ニューメキシコ州で、14インチ望遠鏡で捉えた「C/2025 F2(SWAN)」(スワン彗星)。2025年4月8日撮影(Lmmastro, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

2025年5月は、天文ファンにとって見ごたえのあるイベントが目白押しだ。北半球で夏至が近づき、月のない夜の長さが短くなる中で、彗星がおうし座のプレアデス星団(すばる)に大接近し、火星がかに座のプレセペ星団を通り過ぎ、ハレー彗星を母天体とする流星群が極大を迎え、「フラワームーン」の満月が昇る。夜間の寒さが和らぎ、日没後や日の出前の薄明の時間が長くなる時期でもあり、惑星の並びや天体が夜空に描く形を探してみるのも楽しいだろう。5月の星空の見どころをまとめた。

1. スワン彗星がプレアデス星団に大接近

日時:2025年5月2日(金)ごろの日没後45分
方角:西

2020年のネオワイズ彗星、昨年秋の紫金山・アトラス彗星は記憶に残る盛り上がりをみせたが、今年も新たな彗星がやって来ている。3月下旬に発見された「C/2025 F2(SWAN)」(スワン彗星)は、5月1日に太陽に最も近い「近日点」を通過した。今後2~3日の間、日没直後の西の低空に姿を見られそうだ。特に2日の夕方は、おうし座のプレアデス星団(すばる)のすぐ近くに現れる。

明るさは5等級ほどになるみられていたが、最近急激に暗くなったため、観測には高倍率の双眼鏡がほしいところだ。7日には北半球から見て地平線の下に沈んでしまうので、観測に挑戦するなら早めがいいだろう。

2. 火星と上弦の月、プレセペ星団が夜空で共演

2025年5月4日(東京:午後8時ごろ)の西の空(Stellarium)
2025年5月4日(東京:午後8時ごろ)の西の空(Stellarium)

日時:2025年5月4日(日)の日没後
方角:西

月がちょうど半分の明るさを放っていて条件は最高とはいえないかもしれないが、見て損はない、印象的な光景だ。日没後の暗くなった南の空で、火星と月、かに座のプレセペ星団(M44)が1つのフレームに収まる。プレセペ星団は、地球に最も近い散開星団の1つだ。なお、日本では火星がプレセペ星団に最接近するのは翌5日となる。

3. みずがめ座η流星群が極大

スリランカ・ラトナプラで、夜明け前の空を駆けるみずがめ座η流星群の流れ星と天の川。2024年5月5日撮影(Thilina Kaluthotage/NurPhoto via Getty Images)
スリランカ・ラトナプラで、夜明け前の空を駆けるみずがめ座η流星群の流れ星と天の川。2024年5月5日撮影(Thilina Kaluthotage/NurPhoto via Getty Images)

日時:2025年5月6日(火)の未明
方角:全天

みずがめ座η(エータ)流星群は、ハレー彗星を母天体とし、毎年5月上旬に活動する流星群だ。5月6日に極大を迎え、見ごろは6日未明~明け方となる。晴天なら1時間に10~20個の流れ星が見られそうだ。極大期は長めなので、7日の夜明け前にも多くの流星が見える可能性がある。流星群を観察する際のコツは、とにかく辛抱強く待つことだ。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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