17日のドローン攻撃でコンテナに損害を与えたのかどうかや、損害の程度は現時点ではまだ判断できない。仮にアンテナ塔を1基ないし数基倒したとしても、それだけではこのレーダーを永久的に使えなくすることはできないだろう。ウクライナ側が今回の攻撃を賢く計画し、巧みに実行し、また運にも恵まれていれば、コンテナの管制センターを攻撃したかもしれない。ここを破壊すればレーダーは使い物にならなくなる。
いずれにせよ、1週間で2回も攻撃を仕掛けたということは、ウクライナ側がコンテナを撃破とまではいかなくても抑制することを狙っているのは確かだろう。また、これらの攻撃は大きく見れば、飛来してくる攻撃ドローンに対するロシアの防空の「目潰し」をすると同時に、ウクライナの空域をウクライナ軍機にとってより安全にするという、大きな戦略の一部であることも明らかだ。そのウクライナ軍機には、近く欧州諸国から届くことになっている
F-16戦闘機も含まれるはずだ。
ウクライナのこうした対レーダー戦略が最も劇的な形で成果を収めたのは、今年1月から2月にかけて、ロシア空軍の貴重なベリエフA-50早期警戒管制機2機を
長射程の地対空ミサイルで相次いで
撃墜したときだった。ウクライナ軍はその後、ロシア南部ロストフ州タガンログにあるA-50の修理・生産工場もドローンで攻撃し、追い打ちをかけている。
ロシアが戦争拡大前に保有していた9機前後のA-50の大半を実質的に排除したウクライナは、ますます能力を高めているドローンによってロシアの地上レーダーを狙い始めている。
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forbes.com 原文)