ウクライナ軍の第25旅団がそれを発見し、激しい攻撃を加えた。ウクライナ海兵隊第36独立海兵旅団のドローン操縦士のアカウント「Kriegsforscher」(@OSINTua)は、車両48両のうち「戦車12両とBMP8両が破壊された。狂気の沙汰だ」とX(旧ツイッター)に書き込んでいる。
ロシア軍は車両20両とおそらく兵士数十人を犠牲にしていくらかの土地を獲得したのだとしても、それはごくわずかだった。CDSは3月31日の戦況評価で、トネニケ方面の戦闘について「情勢の変化が少ない」、つまり双方とも大きな前進を遂げていないと分析している。
第25旅団がロシア側の過去最大級の戦車縦隊をどのように撃退したのかは、戦闘後の視覚的な形跡からはつまびらかでない。とはいえ、推測するのは難しくない。ウクライナ軍による最近の防衛では、ドローンでロシア軍の突撃部隊の位置を特定し、狙いすました一斉砲撃を加えるという戦術を採るのが普通だ。
大砲によってロシア側の車両は散り散りになる。生き残った車両や兵士はFPVドローンの格好の目標になり、ひとつひとつ潰される。地雷や対戦車ミサイルが突撃の出端をくじいたり、被害に追い打ちをかけたりすることもある。
この戦術は、米議会のロシアに融和的な共和党議員たちが昨年10月から米国の対ウクライナ支援を妨害し出し、ウクライナ軍の主だった重弾薬が不足するようになった事態を受けて、必要に迫られて編み出されたものだ。アウジーウカの守備隊がついに撤退に追い込まれたのも、そもそも砲弾不足が一因だった。
米共和党のひどい裏切りのあと、ウクライナの欧州の支援諸国がウクライナ向け弾薬の供給体制を立て直すには数カ月を要した。2月半ば以降の目まぐるしい6週間で、チェコ主導のグループはウクライナ向けに砲弾を少なくとも100万発かき集め、その購入資金10億ドル(約1510億円)超も手当てした。