ウクライナ国防省が23日に公開した動画には、同国が保有する最高の戦車であるエイブラムスがステポベ付近の道路を移動したり、おそらくは夜間にロシア軍部隊を砲撃したりする様子が映っている。
重量69トン・乗員4人のM1A1/SA(状況認識型)戦車は、昨年秋以降に31両が米国からウクライナに供与された。タングステン装甲、側面に取り付けられたM19爆発反応装甲、120mm滑腔砲、昼夜対応の光学機器などを備える。
Abrams in action.
— Defense of Ukraine (@DefenceU) February 23, 2024
📹: 47th Mechanized Brigade pic.twitter.com/Xd0cPEPu57
第47旅団は、まず戦車の入れ替えをする必要があった。同旅団はこれまでに何度か戦車を入れ替えてきたことで知られる。北大西洋条約機構(NATO)の訓練を受けたこの旅団は、編成当初、スロベニアから供与された28両のM-55S戦車を運用していた。旧ソ連の古いT-55戦車をイスラエルの協力で改修したもので、英国製の近代的な105mmライフル砲などを搭載する。
ただ、M-55Sは防御力が低い。そこで、第47旅団は昨年夏の反転攻勢を主導するため南部に転用される前にM-55Sを手放した。東部ルハンシク州のクレミンナの森周辺に配置されていた第67独立機械化旅団に譲渡した可能性がある。第47旅団には代わりに、ドイツとポルトガルから供与されたレオパルト2A6戦車21両が配備された。
レオパルト2A6は、M1A1に対応するドイツ製戦車だ。同様の装甲や光学機器、ほぼ同等だが砲身のより長い滑腔砲を装備する。
だが、反転攻勢で第47旅団の戦車大隊は大きな損害を被った。少なくとも4~5個小隊相当のレオパルト2A6を失った。ほかのレオパルト2も損傷し、修理のためリトアニアへ送られている。反攻が秋に停止すると、第47旅団は再び東部に転用され、アウジーウカの北面を防御するためステポベのすぐ西に陣取った。