使われた兵器から推測すると強力な部隊だったようだ。おそらく大隊規模の兵力で、T-80BVM、T-90M戦車を少なくとも計6両、BMP-2歩兵戦闘車など戦車以外の戦闘車両を少なくとも4両、燃料気化爆薬(サーモバリック)弾頭のロケット弾を発射できるTOS-1多連装ロケットランチャー1基などを擁していた。
注目されるのは、ロシア最高の戦車であるT-90Mが見たことのないほど多く配備されていたことだ。これほどの数のT-90Mが一度に同じ場所にお目見えしたのは、知られる限り初めてだったのではないか。
もっとも、最新のT-90Mもまた、ロシアの旧式戦車と同じようにいとも簡単に爆破された。ウクライナ軍の第60、第63両独立機械化旅団のドローン(無人機)の猛襲を受けた突撃部隊は、テルニーの南東3kmかそこらで動けなくなった。
生き残ったロシア兵らは4両のT-90を含む戦車6両、歩兵戦闘車や装甲戦闘車計4両を後に残して退却した。TOS-1は破壊された。
OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは16日、これらを含め、およそ1000kmにわたる前線全体でロシア軍の大砲や戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車が計31撃破または遺棄されたことを確認している。
これに対して、ウクライナ側は大砲1門と歩兵戦闘車1両の撃破、装甲兵員輸送車1両の遺棄にとどまり、戦車の損害はなかった。
Here are losses I could identify for *yesterday*. Not today. *****YESTERDAY***** https://t.co/lZLivxUud6 pic.twitter.com/psEJuf76Gc
— Andrew Perpetua (@AndrewPerpetua) February 16, 2024
ロシア占領下のドネツク市のすぐ北西に位置し、ウクライナ軍の東部での守備拠点だったアウジーイウカの守備隊が、7倍の兵力のロシア軍による大きな犠牲をともなう執拗な攻撃を前に、ついに撤退を強いられたにもかかわらず、ウクライナ側は消耗戦では勝ちつつあるのだ。