なかでも、陸軍の第47機械化旅団は多数の戦闘車両を与えられた。米国製M2歩兵戦闘車(IFV)90両のほか、フィンランドから供与されたレオパルト2R重地雷処理車全6両、スロベニアから供与されたM-55S戦車全28両などである。
第47機械化旅団はこの春、これら新しい車両の訓練に多くの時間を費やしていた。だが不可解なことに、ウクライナ軍が待望の反攻を6月上旬に始める少し前、第47機械化旅団が南部のザポリージャ州に展開したときには、M-55Sは同伴していなかった。
ただ今では、M-55Sの配備先ははっきりしている。それは、ロシア軍の占領下にある東部ルハンスク州西部の都市クレミンナのすぐ西側。運用しているのは、ウクライナ陸軍の別の新たな旅団、第67機械化旅団だ。
Ukrainian tank M-55S and "beautiful" Ukrainian weather 😊#UkraineRussiaWar️ #Slovenijapic.twitter.com/C2MbP302F8
— AlexRaptor (@AlexRaptor94) August 15, 2023
M-55Sはこの旅団に属する比較的規模の小さい大隊に配備され、同じ旅団の通常規模の戦車大隊に配備されているT-72戦車とともに戦っている。
証拠は徐々に積み上がっていた。7月12日、第67機械化旅団の医療要員として従軍しているアリーナ・ミハイロワは、クレミンナの西にある樹林帯の中に停められたM-55Sの写真を撮っている。数日後、M-55S1両がロシア軍の砲弾を食らい、イスラエル製の光学機器を破壊されている。クレミンナ郊外の所在地を監視で特定されたうえでの攻撃だった。
Шо відбувається на фото
— Alina Mykhailova (@Mykhailova_A) July 12, 2023
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さらに7月22日ごろ、やはりクレミンナ郊外で別のM-55にロシア軍の砲弾が直撃し、大破している。
第47機械化旅団が、保有する唯一の戦車だったM-55Sを第67機械化旅団に譲った理由はよくわからない。M-55Sは旧ソ連のT-55戦車を大幅に改修し、英国製105mm砲などを搭載したものだが、ウクライナ軍参謀本部は、第47機械化旅団が南部トクマクの攻勢軸で持ちこたえてきたような戦闘に投入するには脆弱すぎると懸念したのかもしれない。