・Casey’sは、2020年に飲料とベーカリーのプライベートブランド商品の展開を開始しました。2021年1月には、チップス、ジャーキー、ナッツなど、100以上の新しいスナックと飲料商品を発売し、コンビニエンスストアチェーンのプライベートブランドの品揃えを広げました。2021年度第1四半期に開始した店舗リニューアル施策では、店舗スペースを解放し、店舗網全体でプライベートブランド商品の品揃えを拡充しています。
・2020年10月、TXBとして再ブランド化した地域コンビニエンスストアチェーンKwik Chekは、ジャーキー、トレイルミックス、コーヒー、水などの主食を皮切りに、新しいプライベートブランド商品の投入に注力することを発表しました。
IRIによれば、米国のコンビニエンスチャネルにおけるプライベートブランド商品のシェアは3%未満であり(図9参照)、16%を超えるスーパーにおけるプライベートブランド商品のシェアよりも低いのが現状です。これは、コンビニエンスストアではタバコが強いため、タバコの売上に占めるプライベートブランドの割合が低く、全体的なシェアを押し下げているためだと思われます。
そのため、コンビニエンスストア事業者は、特に現在のインフレ環境下で経済的に厳しい消費者が出費を抑える中、食品・飲料、健康・美容など他のカテゴリーにおいてシェア拡大を図る機会があるでしょう。
図9. 米国のコンビニエンスストア:有名ブランドとプライベートブランド販売額の内訳(総販売額に占める割合)
(図内の訳、コメント「コンビニエンスストアにおけるプライベートブランドのシェア拡大はまだまだ余地がある」)
*2022年6月12日現在
出典:IRI POSデータ
コンビニエンスストアはフードサービスに重点を置いている
米国のコンビニエンスストアは、トップラインと店内トラフィックを増やすために、店内の商品構成をタバコからフードサービス商品へと移行しつつあります。時間に追われ、迅速で便利なサービスにお金をかける消費者が増えているため、利便性がこれらの商品の人気を後押しする大きな要因となっています。また、消費者の食習慣が健康志向に傾いていることを多くの企業が機会と捉え、健康志向の商品を多く取り揃えるようになっています。
NACSによると、調理済み食品、コミッサリー、ホットディスペンサー飲料、コールドディスペンサー飲料、冷凍ディスペンサー飲料を含むフードサービスの売上は、2021年には前年比24.1%増、前々年比(2019年比)で10.6%増となりました。最大のフードサービス部門である調理済み食品の売上高は、2021年に前年比25.9%増、前々年比で15.2%増でした。
最近では、多くのコンビニエンスストアチェーンがフードサービスを強化しています。