ビジネス

2022.10.20 08:30

米国コンビニ市場が好調、その理由は?

田中友梨
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2020年8月、同社はAlimentation Couche-Tardと提携し、2021年10月にタンパ、2022年4月にフェニックスと、アリゾナ州のCircle Kの2店舗に同社のレジなし技術を導入しました。

Caper AI


Caperは、オフライン小売業者向けにAIを用いた自動チェックアウトソリューションを提供しています。2020年10月にCaper Counterと名付けた自律型POSカウンターを発売し、AIを活用したシームレスなセルフレジ体験を提供しています。コンピュータビジョン技術を用いてカウンター上に置かれた商品を検知して瞬時に識別し、自動で合計金額に追加します。

このプラグアンドプレイ・ソリューションは、取り扱い可能な商品数が1万未満で、面積が1万平方フィート未満の店舗を対象としています。2021年10月、InstacartはCaper AIを3.5億ドルで買収しました。

What We Think


米国のコンビニエンスストア市場は、消費者行動に大きな変化をもたらしており、今後もM&A、カテゴリー拡大、イノベーションを通じた統合が続くことが予想されます。インフレと世界的な政治的情勢の不安定さが消費者心理と支出に重くのしかかっていますが、都市化と世帯数の減少という世界的なトレンドがこの分野の成長を支えることになりそうです。

小売業者にとっての意味合い


・外出先での買い物先として、コンビニエンスストアは今でも主に利用されています。しかし、タバコの売り上げが縮小しているため、コンビニエンスストアは店内の品揃えを見直す必要に迫られています。例えば、調理済み製品やすぐに食べられる/飲める製品を追加し、それらを前面に陳列することで、時間に追われている消費者にアピールする必要があるでしょう。

・ガソリン価格の高騰が購入額に影響を与える中、コンビニエンスストアはより多くの消費者を店内に呼び込み、店舗へのコンバージョン率を向上させるため、強力なプロモーション戦略を展開する必要があるでしょう。

・大手チェーンが店内サービスや店舗改装を強化する一方で、独立店舗や小規模チェーンは規模の小ささから投資に失敗し、米国のコンビニエンスストア業界の再編は続くことが予想されます。小規模業者の撤退は、大手チェーンにシェア拡大の機会をもたらすでしょう。

・コンビニエンスストアは、ベーカリーやペストリー、朝食メニュー、コーヒーなど、店内を見て回る機会を高め、利益率を拡大し、カテゴリーを超えた購買を促すようなフードサービスの拡充を図る必要があるでしょう。これは、店舗スペースの多くを調理済み食品に割り当てることにつながるかもしれません。

テクノロジーベンダーにとっての意味合い


・コンビニエンスストアの経営者は、決済プロセスを最適化し、人件費を削減するために、自律型チェックアウトソリューションの導入を模索し、試験導入を行っています。テクノロジーベンダーは、コスト削減をメインに謳い、そのソリューションが魅力的で迅速な投資収益率を生み出すことを約束する必要があるでしょう。


※この記事は、2022年8月にリリースされたRxR Innovation Initiativeからの転載です。

文=RxR Innovation Initiative

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