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2020.01.17 18:10

「全部いりません!」初診の日、全摘を確認|乳がんという「転機」 #5


チーム医療「ぞくぞくするほどのプロの仕事」


ここまできて、Mはようやく「ゆうちゃん、手術はもう仕方ないね」と言った。「でも十分取りきれる相手のようだから、あとは手術後にどういう性格を持ったがんなのかがわかって、治療法が決まります。ムンテラは来週の金曜日だったよね、ご家族もいっしょに聴きに行くのがいいです」

「ムンテラ」というのは、初めて聞いた言葉だったので、すぐに検索した。ドイツ語のムントテラピーの略語で、医師から患者や家族に、現在の病状や今後の治療方針などを説明することだ。

「重要な検査は器用な専門医がやって、穏やかな主治医がムンテラと手術。化学療法などになると他の部門が担当。すばらしきチーム医療、背中がぞくぞくするほどのプロの仕事、安心してお任せできる。私は何も心配しないよ! 話を伺っているだけで、安心できます。あとは治療に向けてゆうちゃんが精力と気力をつけないとね!」。最後はまた、食べろ、と背中を押された。

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連載「乳がんという『転機』」。筆者は電通 チーフ・ソリューション・ディレクターでForbes JAPANオフィシャルコラムニストの北風祐子さん。

初動から立ち直るまでのブログ的記録。11人に1人が乳がんになる時代、大親友がたまたま医師だったおかげで筆者が知ることができたポイントを、乳がんの不安のある女性たちやその家族に広く共有し、お役に立てていただけたらと考えています。

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文=北風祐子、写真=小田駿一、サムネイルデザイン=高田尚弥

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