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フォーブス ジャパン ウェブ編集部編集長

PhotoAlto/Michele Constantini/Getty Images

就職・転職・人事異動や進学・進級などで人間関係に変化があり、ストレスを感じている。異動のない職場や夫婦関係など、長く停滞した人間関係に嫌気がさしてきている。

ちょっとした一言やディスコミュニケーション、信じられないような裏切り、積年の恨みつらみ……。人に対してイライラすることは誰にでもある。しかし強い怒りの感情はストレスになる。血圧や心臓、脳や睡眠にも影響を及ぼすとも言われる。

世の中、人と人との関わりによって成り立っていることばかりだ。人間関係にまつわる悩みは尽きない。

人に腹が立って仕方がないとき、どうすべきか。怒りに任せて相手に不用意な言葉を投げつけたり、物に当たったりする前に、まずは怒りを鎮めることを考えたい。筆者自身、未熟ながらアンガーマネジメントを模索してきた。最近は以下の10パターンのどれか、あるいは組み合わせで心の沈静化をはかるようにしている。

1. 「人を変えることは困難。結局は他人である」と自らに言い聞かせる。

人に対して怒りの感情を抱くとき、往々にして相手に何かを期待しているものである。それは時に「私だったらこうするのに」と、自分の感覚や流儀に勝手に当てはめているものだ。

上司が部下に、親が子に、年長者が年少者に、「どうしてできないのか」「どうしてこうしないのか」と詰めるときは、「どうして(私ならできることが)できないのか」「どうして(私ならこうするのにあなたは)こうしないのか」という無意識のフィルターをかけていることがある。さらに「あなたに変わってほしい」「成長してほしい」という思いが、相手にとってはお仕着せになってしまうこともある。

そもそも目の前にいる相手は自分自身ではないし、相手に自分の思い通りのレスポンスを求めるのは合理的ではない。ましてや相手の考え方や言動を変えようとするのは、驕りとも言えるかもしれない。

2. 「人の心は移ろうものだ」と認識する。

他人を変えることが困難である一方で、他人は勝手に変わるものだ。好きな色を問うと、同じ人でも赤が好きな時期と青が好きな時期があったりする。ゴールドのアクセサリーを身に着けたくなる時もあれば、シルバーで統一したくなる時もある。

「あの時こう言ったじゃない」「以前のあなたはこうだったのに」などと、相手の過去と現在の言動の整合性を問うても仕方がない。「人の心は移ろう」ということを認識しておけば、過剰に相手に期待しなくてよくなる。

3. コミュニケーションコストを鑑みる。

コミュニケーションには意外とコストがかかっているものだ。話の通じない相手に理解してもらおうと努めるほど、時間やエネルギーがかかり、消耗していく。

他人に怒りをぶつけている1時間のあいだに、もっと生産的な仕事や、次の旅の計画ができたかもしれない。そのエネルギーを他の人に向けていれば、より良い関係性を築けていたかもしれない。成立しないコミュニケーションを延々と続けているのは、自分にとっても、相手にとっても不経済である。

4. 自分自身を省みる。

他人に怒りを覚えている間は、自分自身が正義だ。「自分も悪いんだけど、あいつ、本当に頭にくる!」と言っている人はあまりいないように思う。相手に怒りをぶつけているうちに、自分の心が怒りと興奮で万能感に支配され、相手に過剰な言葉をぶつけてしまう。それによって関係性がこじれ、取り返しのつかない事態に陥る──。

そんなことになる前に、「自分はそこまで完璧な人間なのだろうか」と一瞬考える。自分の過去の失敗を思い起こし、束の間の寛容さを取り戻すことが、結果的に自分自身を守ることにつながるかもしれない。

5. 相手の状況に思いを馳せてみる。

相手が失敗したり、不遜な言動をしたり、もしくはやらなければいけないことをサボっていたり、やってはいけないことをやってしまったり。それ自体を頭ごなしに詰る前に、なぜそのようなことになってしまったのか、相手の状況を考えてみる余裕が必要だ。

もしかしたら体調がすぐれないのだろうか。プライベートで辛いことがあったのか。家族の事情で時間が取れないのだろうか。そもそもタスク過多に陥っているのかもしれない……。相手の状況に思いを巡らすことで、思いがけないことに気づき、怒りが収まることもある。

文=林亜季

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