欧州

2025.02.24 09:00

ポクロウシク方面でロ軍の攻勢が行き詰まる 侵攻3年のウクライナ、米と亀裂の中で防衛戦

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スターリンクを使えなくなれば、ウクライナはドローンの運用に支障をきたすおそれがある。ドローンは前出のT-80のように、ポクロウシクへの長く血なまぐさい路上でロシア軍の車両を多数破壊してきたものでもある。スターリンクの利用をめぐる脅威が持ち上がると、ウクライナの防衛のために欧州の主要な支援国のひとつがすぐさま行動を起こしたのは理由のないことではない。

「ポーランドはスターリンク端末を購入し、ウクライナに提供した。わたしたちはウクライナ向け衛星インターネットの利用料を支払っており、これからも支払い続けるつもりだ」。ポーランドのクシシュトフ・ガフコフスキ副首相は、マスクが所有するソーシャルメディアであるX(旧ツイッター)にそう投稿した。「ポーランドが当事者である商業サービス契約を誰かが一方的に破棄できるなどとは想像もできない」とクギを刺した。

ウクライナと支援諸国の当局者は、米国が煽る地政学的混乱というこの危険な新時代に何が可能なのか、考え直すべきだろう。トランプがこれほど早くウクライナを見捨てるばかりか、ウクライナを脅し出すとはとんどの人が想像していなかった。その脅しは、ウクライナの自衛の努力がロシアの戦争計画を困難にしているまさにその時期に、その自衛を弱体化することにつながりかねないものだ。

だが、トランプはそれをやった。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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