欧州

2025.02.23 09:00

ウクライナが新型ミサイル・ドローン「トレンビータ」公開 おとり含め大量運用の見込み

Shutterstock.com

Shutterstock.com

ウクライナの新型ミサイル・ドローン(無人機)「トレンビータ」は見た目は無骨だ。全長2mほどで、胴体上部にエンジン、後部にロケットブースターを搭載した非常に簡素な設計のこのドローンあるいは巡航ミサイルは、GPS(全地球測位システム)誘導装置を備える点を除けば、第二次世界大戦中にナチ・ドイツが用いたV-1飛行爆弾の小型版といった兵器だ。
だが、トレンビータなどのウクライナ国産ドローンはウクライナ軍のマンパワー(人的戦力)と並んで、ウクライナの存続と、ロシアに対する勝利の可能性の鍵を握るものになっている。

ウクライナにとって、以前は緊密な支援国だった米国は、ドナルド・トランプ大統領の下で、控え目に言っても、ロシアに友好的な苛立たしい存在に変貌している。最悪の場合、トランプ政権は、ロシアがウクライナに対して始めて3年たつ全面戦争で、民主制国家のウクライナ側ではなく独裁体制のロシア側に積極的に味方するおそれすらある。

欧州諸国の支援があれば、ウクライナは米国の支援がなくとも戦い続けることができる。とくに現在は、ウクライナ軍の重要な兵器の多くを自国の産業界で製造するようになってきてもいる。

トレンビータを開発したウクライナ企業のPARSは、賢明にも、射程150kmかそこらで最高速度400km/hほどとされるこのドローンのコストを抑えることに注力した。弾頭などの無いモデルは1機数千ドルと伝えられる。

ウクライナの軍事メディア、ミリタルニーによると、このほどキーウで開催された防衛テック・イノベーション・フォーラムで、PARSのアキム・クレメノウ最高経営責任者(CEO)は「われわれは実のところ、アルミニウムの切削や曲げ加工といった単純な技術を用いて第二次大戦の機体の設計を再現しています。これにより、製品のコストを大幅に抑えることができます」と語っている。

クレメノウはトレンビータについて「パルスジェットエンジンを中心につくられており、このエンジンはステンレス鋼で構成され、可動部品はありません」と説明し、「安価でシンプルです。たしかに欠点もありますが、それを補って余りある利点があります」と続けている。欠点というのはおそらく、射程があまり長くないことや、命中精度がそれほど高くないことなどを指すのだろう。

ランプ(斜台)から発射されるこのドローンは1年半ほどかけて開発され、現在はまだ試験段階にある。実戦配備が可能になれば、ウクライナは自国や欧州の資金、あるいは米国の前政権から提供された資金の残りを使って、トレンビータを千機単位で調達することになりそうだ。
次ページ > 弾頭を搭載しないおとり型も

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

続きを読むには、会員登録(無料)が必要です

無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。
著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も!

会員の方はログイン

ForbesBrandVoice

人気記事