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欧州

2025.02.19 09:00

ウクライナがロ軍ドローン操縦士2人への攻撃に貴重なHIMARSを使用した理由

Shutterstock.com

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ウクライナ国防省情報総局(HUR)はロシア軍の2人組のドローン(無人機)操縦士チームを追跡・攻撃する連携作戦に、偵察ドローンや少なくとも2機の攻撃ドローンのほか、米国製の高機動ロケット砲システム(HIMARS)という貴重なリソースまで活用した。これは過剰な攻撃に見えるかもしれないが、ウクライナがそこまでして敵のドローン部隊を攻撃したのには理由がある。

ロシアによるウクライナに対する全面戦争が間もなく4年目に入ろうとする現在、ウクライナの天然資源に執着するドナルド・トランプ米大統領はこの戦争を取り巻く政治状況をロシアに有利な方向に動かすおそれが出ている。そうしたなかでウクライナは、自軍にとって戦場で最も重要な優位性であるドローンの優位性を維持しようと躍起になっているのだ。

ウクライナ南部ザポリージャ州のどこかで最近、ロシア軍のオルラン-10偵察ドローンのチームに対して行われたこの圧倒的な火力による攻撃は、ウクライナ側のシャルク(シャーク)偵察ドローンによるロシア側前線のパトロールから始まった。

シャルクは、薄く雪が積もった平原を抜ける未舗装路を民生車両風のトラック1台が走っているのを発見し、追跡する。開戦からほぼ3年で装甲戦闘車両を少なくとも1万2000両近く失ったロシア軍は、移動や攻撃に民生用の乗用車やトラック、バンを使用することが多くなっており、このトラックもそうした1台だった。

シャルクチームによる注意深い監視は報われた。トラックは停車し、積まれていたオルラン-10をロシア軍の2人が降ろし始めた。オルラン-10はロシア軍が運用している主要な偵察ドローンのひとつだ。

オルラン-10とそのチームを偵察活動に入る前に撃破することを決意した情報総局は、ウクライナ陸軍に連絡し、HIMARSによる支援射撃を要請した。HIMARS部隊は迅速に応答し、数十km離れていたのかもしれない地点から、M30ロケット弾とみられるクラスター弾を発射した。情報総局が「精力的」と表現しているこのクラスター弾はロシア軍チームの上で炸裂し、殺傷性の子弾を地上に撒き散らした。
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