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欧州

2025.02.19 18:00

北朝鮮製M1989コクサン自走砲、ウクライナ軍が初の撃破 東部の前線で

Shutterstock.com

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北朝鮮製のM1989コクサン(谷山)自走砲がロシア国内を輸送される様子が画像で初めて確認されてから3カ月後、ウクライナ軍はその最初の撃破を達成した。

ウクライナ軍の第412独立無人システム連隊「ネメシス」は、東部ルハンシク州でコクサンを撃破したことを報告し、「戦果のコレクションに敵の軍産複合体の『ブンダーバフェ(奇跡の兵器)』がまたひとつ加わりました」と皮肉交じりに言い添えている。

重量45kgかそこらの砲弾を40km以上先まで撃ち込めるこの170mm砲を、ネメシス連隊が発見して攻撃した方法は驚くようなものではない。同連隊のドローンが、冷え切った夜間、車両のはっきりとした熱シグネチャーを識別し、下車した乗員たちが車両から散らばっていくなか、爆弾を投下した。
一方、このM1989が発見され攻撃された場所は驚きだった。ネメシス連隊は、ルハンシク州と北東部ハルキウ州の州境沿いの重要な補給線が通るハルキウ州の要塞都市、クプヤンシク方面の前線に展開している。

北朝鮮は、ウクライナ軍が昨年8月以来侵攻しているロシア西部クルスク州に1万2000人規模の第11軍団を派遣しているが、M1989は同部隊を支援するものとは限らないようだ。クルスク州で北朝鮮部隊は、ロシア軍とともに650平方kmほどのウクライナ軍突出部を排除しようとしているものの、これまでおおむね失敗している。

攻撃を受けたM1989はウクライナ東部でロシア野戦軍を支援していた。具体的には、オスキル川西岸の橋頭堡を拡張してクプヤンシクのウクライナ軍守備隊を圧迫しようとしているロシア陸軍第1親衛戦車軍の支援に当たっていたとみられる。

ロシア軍はクルスク方面で北朝鮮部隊の加勢を受けながら、勢いを盛り返すことはできていない。むしろ今月、ウクライナ軍の反攻によって突出部は広がった

だが、クプヤンシク方面では北朝鮮製装備が変化を生み出す一助になっているのかもしれない。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)は17日の作戦状況レポートで、ロシア軍がクプヤンシクから北へ30kmあまりのトポリ村周辺でもオスキル川を渡り、南西へ前進したことなどを報告し、「クプヤンシク方面でロシア軍は攻勢を強めている」との評価を示している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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