モビリティ

2025.04.27 10:00

5分充電で520kmの衝撃──中国CATL製EVバッテリーがテスラを過去にする日

中国・北京開催の「オートチャイナ2024」で展示されたCATLのEVバッテリー「Qilin(麒麟)」(Getty Images)

中国・北京開催の「オートチャイナ2024」で展示されたCATLのEVバッテリー「Qilin(麒麟)」(Getty Images)

テスラの高速充電スタンド「スーパーチャージャー」を「速っ!」と感じているなら、中国発の最新EV(電気自動車)バッテリーには度肝を抜かれるだろう。

世界トップシェアを誇るEVバッテリーメーカーCATL(寧徳時代新能源科技)が今年春、上海モーターショー2025で発表したバッテリーは、わずか5分の充電で、テスラはもちろん強豪メーカーBYD(比亜迪)の最新モデルよりも長い距離を走行できる。

テスラやBYDを大きく上回る、CATのバッテリー性能

現在、中国勢CATLとBYDはどちらも最短5分で充電できるEVバッテリーを開発済みと発表しているが、同モーターショーではCATLが開発競争の王者たる実力を見せつけた。CATLが放ったバッテリー「ShenXing(神行)」の5分充電による走行距離は、驚異的と言える約520km。この距離はBYD製品の約400kmよりも約120km長い。なお、テスラの充電スタンド「スーパーチャージャー」は充電に15分かかり、走行距離は275kmと、その差は歴然だ。

CATLの最高技術責任者、高煥は上海で開催した自社イベント「Tech Day」で「私たちは再び、性能の限界を超える挑戦をしました」と技術革新への思いを語った。

「私たちの目標はスーパーチャージャーバッテリーShenXingをEVにおける標準装備にし、より便利で快適な運転体験をユーザーに提供することです」

なお、この記録破りの新製品ShenXingは、BYDが最新バッテリーを披露して話題を呼んだわずか1カ月後に発表された。この目まぐるしい変化からも、中国でEVとバッテリー開発がいかに速い速度で進んでいるかがわかる。

ShenXingの最大走行距離は805km

最大走行距離約800kmのフルバッテリー容量を備えた第2世代モデルのShenXingは、リチウムバッテリーや鉛蓄電池より安全でコスパに優れた代替品となるナトリウムイオン電池「Naxtra(鈉新)」と同時に発表された。

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翻訳=猪股るー

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