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欧州

2025.01.21 12:00

ウクライナの無人機がロシア内陸の爆撃機工場を攻撃 燃料施設で爆発か

ロシア空軍のツポレフTu-22M3爆撃機。2016年5月、モスクワ(Fasttailwind / Shutterstock.com)

ロシア空軍のツポレフTu-22M3爆撃機。2016年5月、モスクワ(Fasttailwind / Shutterstock.com)

ウクライナのドローン(無人機)は1月8日、少なくとも650kmほど飛行して、ロシア南部サラトフ州サラトフ市近郊にある戦略爆撃機の拠点、エンゲリス2空軍基地への燃料補給施設を攻撃した。6日後、ウクライナのドローンは同じ燃料補給施設を再び攻撃し、数日にわたって火災が続いた。

ウクライナのドローンはさらに、ロシア空軍の爆撃機の多くを製造・整備している工場も狙っている。ウクライナの前線からおよそ1100km離れたロシア内陸部タタールスタン共和国カザンにある、カザン航空機工場だ。ロシアのテレグラムユーザーは20日未明、ドローンが飛来して工場付近の燃料貯蔵施設で爆発と火災が起こったことを報告している
ウクライナの政府機関である戦略コミュニケーション・情報安全保障センター(SPRAVDI)は「ロシアのカザン一帯の夜空をあかあかと染め上げて、ロシアの航空機製造施設が燃えている。この施設は、ウクライナ国民にたびたびミサイルの雨を降らせている長距離戦略爆撃機の生産と修理を手がけている」とコメントしている

この攻撃は広範囲の空襲の一環で行われたものだった。ウクライナのシンクタンクである防衛戦略センター(CDS)などによると、同じくカザンにあるヘリコプター工場や、ウクライナとの国境から40kmほどしか離れていないロシア西部ブリャンスク州クリンツィの燃料貯蔵施設もドローンやミサイルで攻撃された。SPRAVDIは今後も攻撃が「もっとあるだろう」と付け加えている。

カザンへの攻撃に使われたドローンの種類は不明だ。ウクライナは国産のA-22軽量スポーツ機を改造したものを含め、驚くほど多種多様な長距離ドローンを開発している。サラトフへの14日の攻撃では、A-22改造型より小型のリューティー(ウクライナ語で「獰猛」)かPD-2、ボベル(同「ビーバー」)、UJ-22が使われた可能性がある。これらは全長1.8〜3mくらいで、プロペラで推進力を得て、おそらくGPS(全地球測位システム)で誘導され、爆発物を積んで数百km航続できる。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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