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食&酒

2025.01.20 14:15

国連が「美食観光」を後押し バーレーンで第9回フォーラム

バーレーンで開催されたUN Tourismガストロノミーツーリズム世界フォーラムでスピーチを行うUNWTOズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長

バーレーンで開催されたUN Tourismガストロノミーツーリズム世界フォーラムでスピーチを行うUNWTOズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長

インバウンドに沸く日本。海外から日本を訪れるゲストの多くが、日本での食事を楽しみにしているという。美食で観光客を呼び込む「ガストロノミーツーリズム」という言葉は今や耳慣れた言葉となった。

マリオットグループの高級ホテルブランドが連携した「ラグジュアリーコレクション」の調査では、富裕層の約9割がレストランを予約してから航空券を予約するなど、美食を旅の主目的としており、経済を回す一つのキーとなっていることが明らかになっている。

そんな潮流に早くから注目してきた国連世界観光機関(UNWTO)は、2015年から、スペインの食の大学「バスクカリナリーセンター」とともに、UN Tourismガストロノミーツーリズム世界フォーラムを開催。2022年の第7回フォーラムは、奈良県で開催された。

さらにミクロな視点から、より地域に密着した形で具体的な事例などを共有しようと、2024年6月にはフィリピン・セブ島を舞台に、アジア・太平洋版が開催。筆者はこのアジア・太平洋版にモデレーターとして参加した。

7000以上もある島で成り立つフィリピンの多様性を表現し、過疎化が進む農村などの食文化の魅力を再発見し、観光客の誘致に繋げようという取り組みについてのディスカッション。クリスティーナ・フラスコ観光大臣を筆頭に、観光の現場で、多くの女性リーダーが指揮をとっているのが印象的だった。

中東バーレーンで初開催

2年に一度はスペイン・サンセバスチャンでの開催となるため、第8回はサンセバスチャン。2024年、第9回開催地となったのは、ペルシア湾に浮かぶ島国のバーレーン。中東での初めてのUN Tourismガストロノミーツーリズム世界フォーラム開催となった。
会場となったエキシビション・ワールド・バーレーン(EWB)

会場となったエキシビション・ワールド・バーレーン(EWB)

サウジアラビアとカタールに挟まれたバーレーンは、サウジアラビアからは海上橋で1時間ほどの距離。週末などに戒律の厳しい周辺国を離れて、気軽にアルコールを飲むことができるバーレーンを訪れる湾岸諸国からの旅行者があとをたたない。風光明媚で、かつて特産の真珠貿易で栄えたことから「中東の真珠」と呼ばれるほか、「中東のマイアミ」という別名もあるそうだ。

中東では、2022年にアラブ首長国連邦のアブダビで世界のベストレストランの地方版、中東・北アフリカベストレストラン50が発表されるなど、この地域の美食シーンにも注目が集まり始めているが、一般的に中東の食、そしてその多様性はあまり知られていない。
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文・写真=仲山今日子

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