
「世界から専門家が集まるフォーラムの開催で、バーレーン、ひいては中東の美食についてもっと語られるようになるはず。美食は国の重要なブランディングの一つで、その素晴らしさはクリエイティブであること。真珠貿易を通じて文化が混ざり合ってきたバーレーンは、日本、中国、イタリア、ペルー料理など、インターナショナルな食も豊富。そういった文化も取り入れてアレンジしたコンテンポラリーなバーレーン料理を世界に発信していきたい」
この後行われたトークセッションでは、フィリピンのフラスコ観光大臣が登壇。6月のアジア・太平洋版フォーラムを振り返り「フィリピンの国策」とするガストロノミーツーリズムの価値を力強く語った。
「それは一国だけのものではなく、地域のつながりをもち、官民が協調して行うバリューチェーンである。ツーリズムという急成長中のセクターが地元の経済を持ち上げ、中小の事業者を活性化していく。フィリピン中部の都市、イロイロがユネスコの創造都市ネットワークの食文化部門に選ばれたのは成功例の一つです」

シェフの力と行動力で
毎回、本フォーラムでは、「美食のアンバサダー」が選ばれるが、今回は地元のタラ・バシュミシェフ、スペインのディエゴ・ゲレロシェフ、クロアチアのステファン・ルドルフシェフと3人のシェフが選ばれた。
美食のアンバサダーに期待されるのは、アクティブな行動力。それを裏付けるように、会議の終了後、「バーレーン料理を知ってもらいたい」とバシュミシェフは今回同じくアンバサダーになったゲレロシェフやルドルフシェフをはじめとする料理関係者15人を実家に招いて、伝統料理を振る舞った。