もうひとつの解決策が有線誘導だ。光ファイバー誘導のドローンは、装着されたリールからケーブルを繰り出しながら飛んでいく。TOW対戦車ミサイルなど数十年前から使われている有線誘導ミサイルの誘導方式と似ているが、光ファイバーでは高解像度の映像信号も伝送できる。
ウクライナは今年3月、ロシアの光ファイバードローンを鹵獲したが、これは試作品で1点だけだったようだ。光ファイバードローンはウクライナでも開発されていることが知られているほか、今月にはドイツのハイキャット(HIGHCAT)社が自社の光ファイバードローン「HCX」の実証実験をウクライナで行っている。
そしてこのほど、光ファイバードローンによる史上初の攻撃とみられる戦闘の映像が登場した。
異様に鮮明な映像
8月12日にソーシャルメディアで共有された動画は、クルスク州のスジャ町の南東にあるギリー村で、光ファイバードローンがウクライナ軍のBTR-4装甲偵察車を攻撃した様子とされている。攻撃が実際に光ファイバードローンによるものなのかは確認できないが、映像に異様なほど干渉がないのはわかる。How the Russian FPV drones "Knyas Vandal of Novgorod" (KVN) deal with the invaders in the Kursk area. This is only for yesterday and the day before yesterday. pic.twitter.com/BYpZsrdVUF
— nofm_geopolitics (@nofmgeopolitics) August 13, 2024
8月18日、ロシアの軍事テレグラム・チャンネル「シベリア軍団」は、より詳しい説明がつけられた別の攻撃映像を投稿した。ドローンは「ノブゴロドのバンダル王子」(KVN)という名前の光ファイバードローンで、ロシア北西部のノブゴロド市にあるウシュクイニク科学生産センターが開発したものだという。
Royはこの映像についても「ロシア軍によるギリーでの攻撃と同様に、普通より高解像度で干渉がまったくない」と述べている。