繰り返しになるが、これらの映像を撮影し、攻撃したのが本当に光ファイバードローンなのかを確認することは不可能だ。しかし、その画質から判断して、光ファイバードローンだとする主張の信憑性は高そうだ。また、ロシアはこの技術に、国内の機関とは別のルートからアクセスできる可能性もある。
中国系企業が市販
スカイウォーカー・テクノロジー(Skywalker Technology)という企業は、光ファイバードローンのシステム一式を一般市場で販売している。公式ウェブサイトに記されている連絡先はシンガポールだが、X(旧ツイッター)のニュースアカウント、Clash Reportは同社を中国系と紹介している。A detailed demonstration of FPV drone with fiber optic control developed by Chinese Skywalker Technology.
— Clash Report (@clashreport) August 19, 2024
Depending on the flight range requirement, the drone is offered with 1, 5 and 10 km cable reels.
The 5 km cable reel weighs 1.1 kg. pic.twitter.com/2D210lCx5G
東アジアのサプライヤーから調達されることが多いほかのFPVドローンパーツと同じように、ロシア側もウクライナ側もこの新技術をすぐに入手できるだろう。かつては、新しい軍事技術を導入するには、評価、仕様、試験、承認、調達のプロセスに何年もかかっていたが、独立系ドローンメーカーは現在、既製のパーツやシステムを購入し、数週間で前線に出荷できるようになっている。
光ファイバードローンに関しては、ケーブルが障害物に引っかかる、断線する、操縦士までたどれる跡が残る、といった点がよく懸念されるが、これらは現実には問題にならないようだ。とはいえ、光ファイバー制御はドローンの重量や光ファイバーの取り扱いなどで欠点もあるので、無線制御に完全に取って代わることはないだろう。それでも、ジャミングが激しい状況では光ファイバー誘導のドローンが有効だろうし、攻撃の第一波でも重用されるかもしれない。