3年3カ月近くにおよぶロシアの対ウクライナ全面戦争のおよそ1100kmにわたる前線では、小さなドローン(無人機)がうじゃうじゃ飛び交っている。その数はあまりに多く、従来の対空砲や防空ミサイルでは手に負えない。また、防空車両はかなり高額なものもあり、1機500ドル(約7万3000円)程度のドローンを撃ち落とす弾薬の費用だけでも数千ドルかかるかもしれない。
そのため両軍の軍隊は、安価なドローンには安価なドローンを向かわせて対抗するようになっている。過去1年に前線に登場するようになったこうした「迎撃ドローン」は、ドローン自体に対ドローン防御を装備させるという新たな対抗策を生み出している。
そう現在、一部のドローンは金属製の網をまとって飛行しているのだ。14日、ウクライナ軍のこうした防護強化型ドローンの様子を映した初とみられる動画がソーシャルメディアで共有された。
We got Mavic with a cope cage bruh wtf... this one used by Ukrainian troops. pic.twitter.com/nTrrJtyr4Y
— B-AREV (@trip_to_valkiri) May 14, 2025
ドローンなどに対する防御用のケージ(囲い)は、この戦争では2022年2月の拡大後まもない時期に、まずロシア軍の装甲車両に見られるようになった。ウクライナ人らはそれを「コープケージ」と呼んだ。
たしかに、こうしたケージは粗雑なつくりなものもあったが、実際には「気休め的な対処(コープ)」というよりもむしろ、ロシア軍が不快な現実を受け入れつつあることの表れだった。これからは小型の自爆ドローンが車両や人員の最大の脅威になっていくという現実だ。事実、こうしたドローンによるキルゾーン(撃破区域)はその後どんどん拡大し、いまでは接触線から25kmの幅に広がっているともいわれる。
現在、コープケージや網、鎖といった対ドローン装備は、ロシア軍とウクライナ軍のあらゆる車両で一般的なものになっている。両軍はさらに、最も攻撃を受けやすい補給ルートに、何kmにもわたって、ドローンを捕捉するための網も張っている。同様の網は、ウクライナの長距離攻撃ドローンが届く範囲にあるロシア国内の製油所などにも設けられている。
To protect themselves from Ukrainian drone attacks, the Russians have fenced off the road from Bakhmut to Chasiv Yar, creating a 2-km mesh tunnel. In this way, the Russians are trying to rescue their equipment and personnel from threats from drones. pic.twitter.com/qbtFvwrAcx
— WarTranslated (@wartranslated) February 9, 2025