そしてもちろん、装甲車両の防御を電子戦の「遮蔽壁」に頼った突撃を阻むのにも、光ファイバードローンは役立つだろう。半面、無線信号が介在しないので、光ファイバードローンやその操縦士は一般的な方向探知技術による探知や位置の特定はできない。
光ファイバードローンは、民間施設をドローンから守るためのジャミングやスプーフィング(なりすまし)の影響も受けない。こうしたドローンの民生利用は今後、厳しく制限される公算が大きい。
最後に付け加えれば、光ファイバーリンクはAIなどと組み合わせて活用できる可能性もある。光ファイバードローンの制御装置は、ドローン自体には搭載できないほど重く高性能なAIシステムを利用して高解像度の映像を解析し、リアルタイムで目標を追跡・識別できるかもしれない。安価なドローンは消耗品だが、高価な制御装置は複数の攻撃に再利用される。
光ファイバードローンは、半年前には噂にすらなっていなかった。今では市販され、戦場で目標を破壊している。近いうちに、新たな動きやさらなる進化が起こることが予想される。
(注)TOWをはじめとする有線誘導ミサイルでは、かねて制御信号の伝送に銅線が使われてきた。光ファイバーケーブルは、最近ではイスラエル製
スパイク対戦車ミサイルの長射程タイプ(LR)で映像信号の伝送に使われているが、攻撃ドローンではこれまで使われていなかった。スパイクLRは1発20万ドル(約2900万円)以上するが、光ファイバードローンの価格はその100分の1程度だ。
(
forbes.com 原文)