一方、最近鹵獲されたロシア軍のFPV(1人称視点)攻撃ドローンは、ジャミングを克服するためにかなり変わった、じつに驚くべき技術を用いていた。このドローンは無線通信機器を搭載せず、代わりに光ファイバーケーブルが接続されていたのだ。光ファイバーはドローンが飛行すると伸びていき、操縦士はそれを通じて有線でドローンと通信する仕組みだった。
謎装置の正体
問題のドローンはウクライナの軍事ブロガー「セルヒィヤ・フレッシュ」(@serhii_flash)が今月初め、通信アプリ「テレグラム」のチャンネルで報告した。その奇妙なドローンは通常の弾頭のほかに、中に正体不明の装置が入ったプラスチック製容器を積んでいた。セルヒィヤはチャンネルの読者に、誰かこれが何かわかる人はいないかと尋ねた。数日後、彼は正体が判明したと投稿した。ウクライナの専門家がドローンを分解して調べたところ、謎の装置は光ファイバーケーブルが巻かれたスプール(巻き枠)だった。光ファイバーケーブルは高速通信に使われる中国製の市販品の光トランシーバーとつながっていた。ケーブルの長さは10.8kmほどあったという。
The Russians have started using killer (and I assume reconnaissance) drones with fiber optic cables attached to them:
Real War | Ukraine -- «For greater efficiency, Russia launches FPV drones with a coil of thin fiber optic cable attached to them.
Our military (AFU) captured…… pic.twitter.com/plvadIrGa7 — OSINT (Uri) 🇺🇸 🇨🇦 🇬🇧 🇺🇦 🇮🇱 (@UKikaski) March 7, 2024
「(ウクライナ)国防省のハッカソンで、この技術(光ファイバー)を無人航空機に採用してはどうかと提案した参加者がいた。だが、わたし自身もほかの審査員も現実的でないように思えた。10kmの光ファイバーケーブルを空中で切らずにほどいていきながら、はたしてドローンは飛べるものだろうかと」
コメント欄にも多くの人から同様の驚きの声が寄せられ、うまくいくようには思えないという意見が多かった。とはいえ、有線式の誘導には長い伝統があるのも確かだ。