多くのフリーランサーは、同じ過ちを繰り返している。仕事を提供し、結果を出し、クライアントからレビューを獲得し、一度だけ報酬をもらい、その後はすっかり忘れて次のクライアントを見つけて仕事をするという失敗だ。
このやり方は継続性がないだけでなく、疲弊させるものだ。仕事と仕事の合間に、あなたは次のクライアントを見つけるために一生懸命マーケティングを行い、また同じプロセスを繰り返す。同時に、1人のクライアントに費やす時間すべてが、あなたのエネルギーを消耗させ、カレンダーから時間を奪う。
この方法では「いちかばちか」のサイクルに陥り、クライアントの獲得活動のたびに燃え尽き、一文無しになってしまう。しかし、あなたが気付いていないだけで、たったひとつのクライアントから得たプロジェクトでも、正しい方法でシステム化、仕組み化に取り組めば1年以上のパッシブインカム(受動的所得)を得られる。時間をお金と交換する代わりに、スケジュールをコントロールし、少ない労働時間でより多くのお金を稼げるのだ。
本稿では、ひとつのプロジェクトを12カ月以上の持続可能な受動的所得につなげる方法を、ステップ・バイ・ステップで紹介しよう。
1. プロジェクトを見直して、繰り返し使える「製品」に仕立て直す
クライアントのプロジェクトを終えたら、作成したアセットや成果物、使用したツールキット、正確なプロセスやロードマップを見直してみよう。そして、それらをひとつ以上の「製品」としてまとめ直すのだ。例えば、ミニ教材、テンプレートパック、各種システムなどへの転換が考えられる。その気になれば、それを基にアプリを開発することもできる。
例えば、あなたがコーチチングのビジネスを手がけており、メールマーケティングサービスを構築したとしたら、考え方・使ったテンプレート・成功のコツなどを体系的にまとめたメールマーケティング教材にしたり、ほかのコーチング事業者のためのマーケティングキットとしてパッケージ化して販売したりできる。1度作れば、そこから継続的に収入を得られるわけだ。
2. 過去のクライアントをマーケティングに利用する
もしあなたが、あるクライアントのために特別な結果を出したのであれば、そのクライアントをケーススタディとして使い(もちろんプライベートな情報が含まれている場合は許可を得て)、LinkedInなどのSNS向けプロフィールやマーケティングの文章などに記載し、あなたの「製品」が実際に機能することの証明としてアピールしよう。こうすることで信頼性が増し、注目を集める手立てになる。
3. サブスク化する
あなたの仕事は、需要がある「製品」として再利用することに加えて、月額のサブスクリプションビジネスとして再パッケージ化することも可能だ。このようなビジネスは、より予測可能な収入を得ることにつながるため、毎月大きな安心感を得やすい(フリーランサーが最も恐れることのひとつは、次の報酬がいつ、どこから来るのか分からないことだ)。
毎月のように新しい「製品」を提供する必要はない。例えば、前述のメールマーケティングの例でいえば、クライアントの業界や特定のビジネスごと、あるいは年初や期末向けなど内容を調整・カスタム化した1カ月分の「製品」を毎月月初に配信することなどが考えられる。