太陽系から遠く離れた惑星「K2-18b」の大気から、地球では生物からしか生成されない物質を検出したという論文が、2025年4月17日に発表された(米航空宇宙局[NASA]が2021年に打ち上げたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による成果だ)。この報道を受け、地球以外の場所にも生命体が存在する可能性があることに、控えめながら歓喜の声が上がった。確かに、かつていないほど説得力のある兆候だが、現時点ではあくまでも一つの説にすぎない。
一方、単なる説ではなく事実として、さまざまな地球の生き物たちがすでに地球をあとにし、宇宙へと飛び立っている。しかも、人間や犬だけではない。ここ数十年のあいだに、野良猫から目に見えないほど小さいけれど最強の生き物まで、意外な生き物たちが宇宙へと打ち上げられてきた。
そうした生き物は、宇宙で過ごした時間こそ短かったかもしれないが、生き物が滅多にたどり着けないような地点まで到達した。地球にもう決して戻れないであろう生き物もなかにはいる。
では、宇宙へと旅立った(人間以外の)意外な生き物3つを紹介しよう。
1. 1947年に世界初の宇宙飛行士となったハエ
宇宙に打ち上げられた世界初の動物は、ソ連の宇宙犬「ライカ」だとよく言われるが、それは誤りだ。宇宙に初めて送り込まれたのは、犬よりもずっと静かで小さな生き物だった。
米国は1947年2月20日、第2次世界大戦後にドイツから接収したV-2ロケットに、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の群れを格納して発射した。地球を飛び立って宇宙空間に到達した初の生きた生物として歴史に名を刻まれるべきは、このハエたちだ。犬と人間が宇宙に行ったのは、それから何年もあとだ。
