28日にソーシャルメディアで共有された動画には、重量40トン、乗員4人のこのドイツ製戦車の一両が、雪の積もったウクライナ東部のどこかで敵弾を食らう様子が捉えられている。戦車はおそらく、第44独立機械化旅団の所属だろう。
ロシア軍のドローン(無人機)が上空から監視するなか、レオパルト1A5は樹林帯に沿って移動し、その後、広い平原に入る。隠れるものがなく、動きを追跡されていたこの戦車は、ロシア軍の砲兵の格好の目標になった。砲弾が何発か、次第に精度を上げながらレオパルト1A5に向けて撃ち込まれたのかもしれない。最初の一撃は地雷だった可能性もある。
いずれにせよ、レオパルト1A5は砲弾か地雷で左側の無限軌道を損傷して動けなくなったらしく、その後さらに砲弾を浴びている。乗員が脱出するところは映っていないが、走行不能になった戦車の砲塔の2つのハッチは開け放たれている。乗員たちが脱出した証拠だ。
Quite fast I might say. No idea what it was. Mine and Artillery? https://t.co/GVlpUxexbH pic.twitter.com/X8AJg7B3C5
— WarVehicleTracker (@WarVehicle) November 28, 2023
第44旅団はこれまでに、1個大隊分のレオパルト1A5を受け取っている可能性がある。ドイツとオランダ、デンマークは共同でウクライナの戦争努力に1980年代製のこの戦車を200両ほど提供することを確約しており、そのうちの20〜30数両ということだ。
第44旅団がいずれ戦車を失うのは避けられないことだった。しかし、レオパルト1A5がウクライナの前線で戦闘に投入されたのはせいぜい2〜3週間前だったとみられるから、初損失はかなり早かったということになる。
レオパルト1A5は装甲が最も厚い部分でも70mm程度しかなく、ロシアがウクライナで拡大して1年9カ月になる戦争で使われている戦車としては、最も防御力が低いものと言っていいかもしれない。とはいえ、今回の損失の理由はおそらく装甲の薄さだけが理由ではないだろう。
どんな戦車も無限軌道の下や近くは地雷や砲撃に弱い。米国製のM1エイブラムス戦車やドイツ製のレオパルト2A6戦車といった防御力が最高峰の戦車であっても、無限軌道のそばで地雷や砲弾が爆発すれば無限軌道が外れて動けなくなる可能性がある。