ウクライナ軍のストライカー乗員は、対サガー訓練の独自版を実践している。まず、操縦手と車長がそれぞれ別の赤外線光学系(レオナルドDRS製ドライバーズビジョンエンハンサーと、カメラを搭載したコングスベルグ製プロテクター遠隔操作式銃塔)を用いて、数km離れた場所から発射されるミサイルの白熱光を探知する。
「ATGMに狙われているとセンサーが教えてくれたので、減速するか、加速するかの決断ができた」と操縦手は体験を回想した。即座に回避行動をとったおかげで、ミサイルの誘導を振り切れたという。「車両がわれわれを救ってくれた」
たしかに、1973年の中東の戦場に根ざした旧式の対策は、2023年のウクライナにおいてロシアの新型対戦車ミサイル相手に必ずしも有効ではないだろう。それでも、かなりの割合で功を奏している。
ウクライナ空中機動軍は、米国から供与されたストライカー約200両を反転攻勢の前衛に配備して4カ月が経過したが、外部のアナリストが確認できる限り、損失はわずか3両にとどまる。
多くのストライカーが作戦行動を継続できているのには、何らかの理由がある。よく練られた独自版の対サガー訓練が機能しているからこそ、ロシアのミサイルから車両が守られているのかもしれない。
(forbes.com 原文)