チャレンジャー2の追加装甲は、最近SNSに投稿された動画に映っていた。しかし、チャレンジャー2のもうひとつの弱点をコルネットによって狙われた場合、この装備は無意味なものになってしまう。9月4日ごろ、ロシア軍によってチャレンジャー2が初めて仕留められた時には、まさにこの弱点を突かれたようだ。
🎥Challenger 2 tank no. 506 of Ukrainian 82nd Air Assault Brigade in the south.#UkraineRussiaWar pic.twitter.com/0BCk7zGNSF
— MilitaryLand.net (@Militarylandnet) September 23, 2023
ただ、英陸軍の教義では長年、戦車部隊は掩体(えんたい)に潜んで防御的に戦うよう指南してきた。そのため英国の戦車設計者は、壕や防壁などに隠れることになるグラシの防護はかなり薄くした。
チャレンジャー2の就役から30年の間に、英陸軍は理由があってグラシに後付けで装甲を補強するようになった。だが、どういうわけか、英国はウクライナに供与したチャレンジャーについては、こうした追加装甲を施していなかったらしい。ウクライナ側がチャレンジャー2を防御的に使うと見込んでいたのだろうか。
問題は、ウクライナ軍で現在チャレンジャー2を運用している唯一の部隊である第82独立空中強襲旅団は、むしろ攻撃的に戦っているということだ。南部ザポリージャ州の集落ロボティネからロシアの占領下にある主要都市メリトポリまで、約80kmの軸の反転攻勢を主導しているのは、チャレンジャー2を14両(現在は1両失って13両)配備されたこの旅団なのだ。
ウクライナ軍が自前で即席のグラシ追加装甲を用意したのは当然だろう。チャレンジャー2を前進させることがあるのはわかっていたからだ。