ロシア軍はどうして主に趣味の乗り物であるホバーボードをかなりの数ウクライナに持ち込んでいるのか、その理由がにわかに明らかになった。
ソーシャルメディアで2日に共有された動画には、2輪のホバーボード2台を連結し、真ん中に対戦車地雷を載せた自爆型の無人ロボット数台が、ウクライナ軍の防御陣地とされる場所を爆破する様子が映っている。場所は、3年2カ月あまり続くロシアによる対ウクライナ全面戦争の1100km以上にわたる前線のどこかだろうが、特定はされていない。
Russians have started piecing together budget kamikaze drones from hoverboards, fastening them with metal frames and arming them with mines. pic.twitter.com/SI3vKMdiRZ
— WarTranslated (@wartranslated) May 2, 2025
2024年の夏、ロシアのボランティア組織「ドバ・マヨーラ(2人の少佐)」はホバーボード型の無人地上車両(UGV)を開発し、ロシア軍部隊に供給し始めた。半年後の2025年2月、前線かその近くのどこかで、ロシア兵らが何台かのホバーボードをトラックに積み込むところが目撃された。これらのホバーボードは本国の支援者から寄贈されたものだったのかもしれないし、あるいは占領地域のウクライナの家から盗み出したものだったのかもしれない。
Looks like the Russians got a "cutting-edge combat tech" upgrade from Shoigu. Now, Russian army personnel will roll out to storm Ukrainian positions on hoverboards. Apparently, donkeys didn’t prove too effective in combat conditions. pic.twitter.com/GVUpObJR5B
— WarTranslated (@wartranslated) February 23, 2025
ともあれ、前線にあるホバーボードのほとんどはおそらく、人が乗るためのものではなく自爆無人車両を作るためのものであることが判明した。
空を飛ぶロボットは、すでにウクライナの戦場を支配している。ロシア軍とウクライナ軍が毎月数十万機も使用している小さなFPV(一人称視点)自爆ドローンは、ニューヨーク・タイムズ紙によると今では戦場での死傷者の70%をもたらしている。
一方、地を這うロボットは、それほど使用が広がっていない。それにはもっともな理由がある。遠隔制御の無人システムにとって、物理的な障害がほとんどない空中を飛行することよりも、荒れた地形を走行することのほうが難しいからだ。
内蔵するジャイロスコープのおかげで、ホバーボードは従来の小型装輪車両に比べて安定性が格段に高い。そのためホバーボード型UGVは、前線の地上をほかのタイプのUGVよりも速く走破できるはずだ。



