東部の反攻はドネツク州バフムートの北側と南側で進められている。バフムートはこの戦争の象徴的な都市になっており、ロシア軍が5月、多数の人的損失を出しながら1年にわたって続けた作戦の末に占領した。
ウクライナ側はこの方面の反攻でも成功を収めているものの、高い代償も払わされている。
ウクライナ軍は今月24日ごろ、バフムート南端の集落クリシチーウカのすぐ南にある集落アンドリーウカのロシア軍陣地を強襲したが、失敗したもようだ。ソーシャルメディアに投稿された動画によれば、歩兵戦闘車少なくとも8両を放棄している。それには旧ソ連時代の古いBMP-2を5両のほか、ポーランド製の新しいKTOロソマク3両も含まれる。
The video shows the aftermath of an unsuccessful 🇺🇦attack on September 24-25 north of the settlement of Andriivka.
3x Damaged and abandoned 🇺🇦KTO Rosomak APC
2x Destroyed 🇺🇦BMP-2 IFV
3x Damaged and abandoned 🇺🇦BMP-2 IFV
Source:closed channel#warfootage #lost_warinuapic.twitter.com/PV4D2O3cOH — lost_warinua (@lost_warinua) September 27, 2023
バフムート方面をめぐる戦略のダイナミクスは単純だ。ロシア側はウクライナ軍が南部ザポリージャ州のロボティネからトクマク、メリトポリにいたる約80kmの軸で進めている反攻を鈍らせようと、東部の部隊を続々と南部に移動させている。その結果、東部ではロシア軍の兵力が比較的手薄になっている。そのためウクライナ側に、ロシアの全面侵攻開始から1年半の間に失った領土を取り戻すチャンスが生まれている。
ウクライナ軍は反攻に乗り出してから15週間で、バフムートの北側と南側で数km前進。とくに南側でより前進できている。これはバフムートの南方面に精鋭の第3独立強襲旅団を配置した効果もあるだろう。
ただ、ロシア軍部隊は壕(ごう)に隠れており、ウクライナ軍部隊が進撃していくには、広く開けた土地を越えていく必要もある。これには人員や装備に大きなリスクをともなう。東部の反攻は第3旅団などの猛攻で戦果をあげることもあれば、アンドリーウカ周辺での今回の強襲のように失敗して損害を被ることもある。