外食大手CEOとアーティスト、年の差20歳のふたりが語る「地方の魅力」

ソルト・グループCEOの井上盛夫(左)と、美術家・音楽家など多彩に活動する立石従寛(右)

ビジネスリーダーの私的な交遊を通して、彼らの“裏の顔”に迫る連載「エグゼクティブ異種交遊録」。今回は、ソルト・グループCEOの井上盛夫と、アーティストの立石従寛が登場。

ロンドンの和食店「engawa」や広尾の複合施設「EAT PLAY WORKS」などを手がけてきた外食大手のトップと、シカゴ生まれのノンヒューマン・アーティスト。年の差20歳のふたりが、温泉での「裸の付き合い」を通して、友人としての距離を縮めた。


最近、日本の地方が面白い


井上盛夫:
海、好きなんです。ここ「eden(エデン)」は、千葉県勝浦市の「かつうら海中公園」内に、うちの会社が今年7月に開業した複合施設です。施設の指定管理者を市が探していると知り、手を挙げました。リアス式海岸沿いに、オーシャンビューの天然温泉スパとレストランを併設しました。

かつうら海中公園滞在型観光施設 「edén」。海を一望するインフィニ ティ温泉は開放感抜群。

かつうら海中公園滞在型観光施設 「edén」。海を一望するインフィニ ティ温泉は開放感抜群。


西麻布など都会に飲食店を展開し、海外にも進出しました。でも最近は、日本の地方が面白い。勝浦でも冒険気分で近所を歩いているのですが、ワクワクして子ども返りしてしまいますね。

勝浦で採れた野菜や伊勢海老を使ったフードメニューを開発して地元の資源を循環させ、過疎化が進む地域で雇用を創出する。未知の魅力を発掘して世に出すことも、サステナブル活動の一環です。

施設内のイスや机は、倉庫の残 木材や旧店舗の床材、流木など を使って手づくりした。

施設内のイスや机は、倉庫の残 木材や旧店舗の床材、流木など を使って手づくりした。


食と並んで、アートも地方創生の原動力になります。そこで施設開業と同時に「海岸線アートプロジェクト」をスタートさせました。その第1弾を任せたのが従寛です。知り合いから紹介されたときに、ビビビッとひと目惚れ(笑)。彼は絶対でかくなる、面白いことをしでかす。何をするのか見てみたいから「そこにおって!」と。思考が深く、若いけど経験もあり、考え方も独特なので、しゃべっていて楽しくて。年の離れた「友人」です。

いのうえ・もりお◎1966年、兵庫県生まれ。立命館大学在学中から飲食店経営に携わり、90年に禅を設立。97年ちゃんと副社長に就任。2002年、ソルト・コンソーシアムを設立。多業態の飲食店運営をはじめ、サービス業全般の総合プロデュース事業を手がける。

いのうえ・もりお◎1966年、兵庫県生まれ。立命館大学在学中から飲食店経営に携わり、90年に禅を設立。97年ちゃんと副社長に就任。2002年、ソルト・コンソーシアムを設立。多業態の飲食店運営をはじめ、サービス業全般の総合プロデュース事業を手がける

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文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.101 2023年1月号(2022/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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