CEOs

2023.08.20

老舗とスタートアップ。両経営者が語るホテル事業の未来

(左)吉原大介 パレスホテル代表取締役社長(右)入江洋介 ワンダーパワードユー代表取締役社長

東京都千代田区丸の内1-1-1という東京のど真ん中で60年以上続く老舗ホテル「パレスホテル」の後継者である吉原大介と、創業8年目のスタートアップ「ワンダーパワードユー」を率いる入江洋介。大学の同級生であり、同じホテルスクールの卒業生でもあるふたりのホテル事業を通じた新たな価値創造を目指す同志の絆は強い。2人が語ったホテル事業の未来とは。


会うと知の探索ができ刺激的でワクワクします。自分にないものをもつ師でありライバルです。

吉原大介◎パレスホテル代表取締役社長。1978年生まれ。2000年慶應義塾大学法学部卒。電力会社勤務などを経て11年パレスホテルに入社。16年米国コーネル大学院卒業。セ ールス&マーケティングや経理に携わり、副総支配人を経て、取締役経営企画室長に。20年から現職。

吉原大介◎パレスホテル代表取締役社長。1978年生まれ。2000年慶應義塾大学法学部卒。電力会社勤務などを経て11年パレスホテルに入社。16年米国コーネル大学院卒業。セ ールス&マーケティングや経理に携わり、副総支配人を経て、取締役経営企画室長に。20年から現職。


パレスホテルの建て替えを機に、2011年に入社しました。12年の再開業を見届けてから、NYのザ・ピエールでコンシェルジュなどの経験を積んだ後、ホテル経営を体系的に学びながら世界的なネットワークをつくるべくコーネル大学の大学院に留学。その際、知人から紹介いただいた“先輩”が入江さんでした。完璧な英語を操る入江さんには願書やエッセーを見てアドバイスをもらい、入学後は授業で起業家に話を聞くという課題があり、国際電話で1時間語ってもらいました。
全米で最も美しい大学と評されるコネール大学のホテル経営学部に留学時代の吉原。

全米で最も美しい大学と評されるコーネル大学のホテル経営学部に留学時代の吉原

世界中のブティックホテルを見てきましたが、入江さんが手がけていた西新井のエンブレムホステルは、地元のすし屋でのすし教室や宿泊者と地元の人との英会話の体験企画など、インバウンド客とローカルコミュニティの交流ができる仕掛けが素晴らしかった。知的な異文化との出会いをコンセプトに20年に開業した「Zentis Osaka」の立ち上げ時にも参考にさせてもらいました。パレスホテルはこれから、台湾を皮切りに海外進出し、宿泊主体型ホテルブランド「Zentis」も拡大していきます。

その鍵を握るのは「人」。優秀で推進力のある入江さんには「うちに来てよ」と言い続け、振られ続けて6年。まずは大学の同窓会会長職の引き継ぎから口説いていきます(笑)。
次ページ > コーネル大学が縁で 最高の同志が

文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年8月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

連載

エグゼクティブ異種交遊録

ForbesBrandVoice

人気記事