「広尾学園」卒業生と理事長が語る、高校生活の学びと後悔

女優・タレントの團遥香(写真左)と、学校法人順心広尾学園理事長の池田富一

欧米の名門大学に多くの合格者を輩出していることで知られる東京・港区の私立共学校「広尾学園中学校・高等学校」。

理事長の池田富一と、同校卒業生で、作曲家の團伊玖磨の孫である團遥香が初対談。民間企業から教育界に転身した異色の理事長と、タレントとして活躍する傍ら自身でアパレルブランドを立ち上げた團が、それぞれの青春時代を振り返る。

ビジネスリーダーの私的な交遊を通して、彼らの“裏の顔”に迫る連載「エグゼクティブ異種交遊録」第8回。


「梨泰院クラス」みたいな青春を過ごせました


團 遥香:大学に進学したかったので、芸能活動をしながら勉強もできる広尾学園を高校受験しました。

振り返ってよかったと思うのは、先生との距離が近くて何でも相談できたこと。予備校や教育界以外から転身された先生もいて、授業が楽しくてどんどん成績が伸びました。先生方の多彩な経験や挫折した話を聞き、自分も「いろいろなことに挑戦していいんだ!」と思えるようになりました。積極性がついたのはこの学校のおかげです。

朝の情報番組のリポーターとして十数カ国を訪れましたが、海外で萎縮せずに取材できたのも、広尾学園でインターナショナルな空気になじんでいたからだと思います。


前身は大正7年設立の順心女学校。2007年に広尾学園に改称し、共学化。海外大学合格者200人以上の実績を誇る進学校に。

いちばんの思い出は、沖縄への修学旅行。ドラマの撮影と重なってしまったのですが、一生の思い出になるからと、途中参加の便宜を図ってくれたんです。個々に寄り添い、挑戦を後押ししてくれるので、学校生活で孤立することもありませんでした。

建築家の父の影響でものづくりに興味をもち、27歳から専門学校でランジェリーデザインを学びました。モデルのお仕事で日本の下着に感じた違和感を解決したくて、昨年、下着ブランドに挑戦。今年ルームウェア中心の「Minali(ミナリ)」を立ち上げ、女性のライフステージに即した商品を提案していきます。


だん・はるか◎1993年、東京都生まれ。2009年、広尾学園高等部に入学。10年にスカウトされ芸能界に。聖心女子大学在学中よりNTV「ZIP!」リポーターを7年間務める。20年、デザインの専門学校を修了。父は建築家の團紀彦、祖父は作曲家の團伊玖磨。
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文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.097 2022年9月号(2022/7/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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