あそぶようにはたらく。アプリプロデューサー実践する軽井沢ライフ

PLAY代表取締役 イセオサムさん

軽井沢の人口は約20000人、別荘は約17000軒、これに対し観光客は860万人もいる。以前から富裕層やリタイアシニア層などの新規流入は一定数有ったが、コロナ禍以降はそれに上乗せされる形で新しい世代の流入が急増しているのが特徴だ。

居住形態は、完全移住、ほぼ移住、二拠点居住(半移住)、三拠点居住など幅広い。また住民票を軽井沢に移すケースも有れば、東京のままのケースも有るので正確な数字は掴みづらいが、急増していることだけは事実だ。

本稿では、昔の移住者とは全く異なる新しいライフスタイルを実践している最近の移住者へのインタビューを通じ、彼らの新しいライフスタイル・リゾートテレワーク・ワーケーションの将来像を予測していく。

第5回は、PLAY代表取締役のイセオサムさん。昨年軽井沢の隣町の御代田に移住されたアプリプロデューサーの彼に、移住して激変化したライフスタイルについてインタビューした。(第1回第2回第3回第4回はこちら)

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御代田の新しい自宅ガーデンの森の中でワークするイセさん

イセオサムさんとの出会いは昨年夏。別荘の重鎮の友人が、面白い若手移住者がいるので是非紹介したいとのことで、軽井沢駅前のレストランで出会った。見るからに「毎日がワーケーション」といった雰囲気を醸し出していたイセさんを今でも鮮明に覚えている。お会いした瞬間からワーケーション・リゾートテレワークの話で盛り上がった。

それ以来オンラインやリアルで、ワーケーション・リゾートテレワークの定義・体系・どのような仕掛けをしたら定着するかなど意見交換を何度も繰り返してきた間柄だ。

鈴木幹一(以下、鈴木):イセさんは、ご自身のライフスタイルを通じ、次世代のワーケーション・リゾートテレワークはどのようになっていくとお考えですか?

イセオサム(以下、イセ):コロナ禍においてワーケーションという言葉に注目が集まっていますが、これまでもフリーランスや経営者の方を中心に、テレワークや、オフサイトミーティングなど、オフィスを離れて仕事をすることは行われてきました。10年ほど前にも、MacBookさえあればどこでも働ける「ノマド(遊牧民)」と言われる人たちもいましたよね。

僕も2008年に起業して以来、「あそぶようにはたらく」をキーワードに、時間と場所にとらわれない働き方の実験を繰り返してきました。ここ数年は、週に1回は東京のオフィスで顔を合わせて仕事、あとはそれぞれの場所でテレワーク、というスタイルで仕事をしています。

鈴木:「あそぶようにはたらく」って良いですね。しかもそれを10年以上前から実践されているとは驚きです。今から80年以上前に、オランダの歴史家ヨハン・ホイジンガが、人間とは「ホモ・ルーデンス=遊ぶ人」と定義、遊びこそが人間活動の本質であると著書の『ホモ・ルーデンス』で述べてます。イセさんは、「ホモ・ルーデンス」を完全に実践されていますね。移住されてから、お仕事はどのように変化しましたか?
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文=鈴木幹一

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