輸入品への依存軽減や国内の生産能力構築の重要性が一段と高まりつつある今日、ウクライナは不可能と思われていたことを成し遂げた。すべて国産部品のドローン(無人機)の製造だ。ウクライナはこれにより、自国のニーズに完全にマッチしたドローンを開発・大量生産するという、類まれな能力を手に入れたことになる。さらに驚くべきは、そのコストだ。ウクライナはドローンの国内製造でコストを割り増しにするどころか、中国製部品を使う場合よりも安上がりにしようとしている。
国産ドローン1000機を引き渡し
ウクライナのドローンメーカーであるVyriy Drone(ヴィリー・ドローン)は3月、「すべてウクライナ製」FPV(一人称視点)ドローンの最初の1000機を正式に引き渡した。同社によると、完全国産化はウクライナ政府から要望されたわけではなかったが、かねて会社として目標に掲げてきたことだったという。ヴィリー・ドローンは2年前からFPVドローンの製造を手がけている。
ヴィリー・ドローンによると、ドローンのフレーム、イニシエーションボード(起爆制御用基板)、フライトコントローラー、無線制御システムを自社で製造し、カメラや映像送信機といったほかのパーツはウクライナの他社から調達している。
The first 1000 FPVs from the company “Vyriy” made with 100% Ukrainian component “blocks”, including thermal cameras.
The drones cannot yet be considered completely localized as some components are still imported from China, but the cost per drone is just $700.
1/ pic.twitter.com/JysRdt9mqC— Roy🇨🇦 (@GrandpaRoy2) March 15, 2025
使われている電子チップには、中国など外国製のものが含まれる可能性がある点には留意が必要だろう。とはいえ、これらは単純な構成部品であり、米国や日本からも調達可能な汎用品だ。フライトコントローラーのようなドローンの専用品とはまったく異なる。
オーストラリアのニューサウスウェールズ大学のオレクサンドラ・モロイ博士は、ウクライナでの戦争の教訓に関する豪陸軍研究センターの調査研究の著者である。この研究では、ドローンを自国で生産する体制を整えることの重要性も強調されている。
モロイは筆者の取材に、ウクライナのドローン生産について「戦争が始まって以降、大半の部品は中国からもたらされていましたが、いまでは大半の部品が国内で生産されています」と説明した。「ウクライナの製造業者は改良のために常に部品探しをしています」