パートナーの感情に寄り添うことと、そのあらゆる気分を逐一追いかけることは別の話だ。この記事では、「感情モニタリング(emotional monitoring)」がパートナーの幸福だけでなく、自分自身の幸福にもどのように悪影響を与えるかを解説する。
もし頻繁にパートナーの機嫌をうかがい、言葉を調整して相手を不快にさせないようにしたり、相手の感情を自分の責任と感じたりする場合は、「感情モニタリング」を行っているのかもしれない。
感情モニタリングとは、パートナーの感情の状態を常に観察・解釈・管理しようとする、微妙でしばしば無意識の習慣を指す。たとえば、緊張感のある場面で細心の注意を払い、相手の不機嫌を先回りして直そうとしたり、相手が「大丈夫」だと確認できるまで落ち着けなかったりする行動が当てはまる。
こうした行動は、相手を思いやる気持ちや平穏を保ちたいという願望からくることが多い。しかし同時に、一方が「感情の管理者」となり、本来なら互いに自然な交流や自己表現ができるはずの空間が次第に狭まっていく。結果として、関係の焦点が相互の信頼や存在感から、警戒とコントロールへと置き換わってしまうのだ。
この状態が厄介なのは、必ずしも目立った衝突や機能不全として表れるわけではないことである。場合によっては「愛情深い」「責任感がある」「良いパートナーを演じている」かのように見えることもある。しかし、その裏では感情的な自立や本当の親密さが少しずつ損なわれている可能性がある。
以下に、「感情モニタリング」が人間関係を損なう3つの理由を挙げる。