2. 偽りのコントロール感を生み出す
感情モニタリングは、一見すると思いやりのように見えるが、しばしばその根底には不安と「どうにかこの場を支配したい」という欲求が潜んでいる。衝突を未然に防ごうとしたり、パートナーの苛立ちをなだめようとしたり、不機嫌な空気を変えようと躍起になる行為は、その場では「関係を守っている」ように思えるかもしれない。しかし、こうした習慣は長期的に見ると目に見えない緊張を生み出す。
トルコの若年成人562名(女性404名)を対象に過去6ヶ月間の状態を尋ねた研究によれば、不安型愛着をもつ人は、関係を失う恐れから、くよくよと考え込む反芻思考や感情制御戦略を取りやすい傾向がある。ブローディング(苦痛を引き起こす思考を繰り返すこと)や認知的ジェラシー(パートナーを疑ったり猜疑心を抱いたりする反復的な思考)は、心理的手段・デジタル的手段を用いたコントロール行動と関連しているという。
つまり、感情モニタリングはただの気遣いではなく、相手の感情世界を管理することで自身の不安を和らげようとする行為とも言える。
このような関係では、片方が「感情の修復係」となり、他方は「監視されている」と感じやすい。結果として、監視する側は「自分ばかり苦労している」と不満を溜め、監視される側は「いちいち干渉され、理解されていない」と息苦しさを覚える。平和を保ちたいという意図があっても、実際には感情的に圧力がかかり、どちらも本音を出しにくくなってしまうのだ。
感情モニタリングを抑制するには、相手の感情の変化を先読みし、すべて修正しようとする衝動を手放す必要がある。パートナーの感情を尊重しながらも、それを自分の責任だと感じすぎず、「ありのままの相手」に寄り添う練習をすることが大切である。真のつながりは、双方が飾らない姿でいられるときにこそ育まれる。


