1. 過剰警戒にはまり込み、愛情を阻害する
感情モニタリングが習慣化すると、パートナーを仲間として見るのではなく、絶えず感情を追跡すべき対象とみなすようになる。相手の表情や声の調子、ちょっとした身振りなどを細かく観察し、変化を先読みしようと身構えてしまうのだ。
このような感情への過剰警戒は、過去に予測不能な環境で育ったり、感情的に安全でない人間関係を経験したりしたことが原因である場合が多い。そうした状況では、他者の気分を察することが一種の「生存戦略」になっていた可能性がある。
実際、心理学分野の学術誌『Personality and Individual Differences』に掲載された研究(211名の大学生を対象に13日間実施)によれば、孤独を感じるほど恐怖や緊張が高まり、警戒心が増す傾向があるという。これらは互いに強化されやすく、孤独感が強いほど、より相手の感情をうかがう方向に走りがちなのだ。
物理的にパートナーと近くにいても、感情的な距離を感じていれば、さらに警戒心と反応が高まる。やがて「相手と共にいる」ことよりも「相手を管理する」ことへと意識が偏り、次第にリラックスして過ごせなくなる。そうした緊張状態が続けば、いくら努力しても報われないという燃え尽きや不満も蓄積しやすい。
解決策は、パートナーの感情を気にかけるのをやめることではない。むしろ、コントロールから好奇心へと視点を変えることが大切だ。危険の兆候を探す前に、自分の身体や感情に意識を向け、「自分は相手に反応しているのか、それとも自分自身を守ろうとしているのか」と問いかけてみるとよい。
感情的な安全を築くには、自分が過剰警戒に陥っていると気づいたとき、コントロールよりも「つながり」を選ぶ姿勢を少しずつ身につける必要がある。


