文章の作成に革命が起きている。ここ2年ほどの間に、人工知能(AI)はカジュアルなメールから複雑なレポートまで、あらゆる文章を作成する方法を再定義し始めた。この技術的変革は単なる仕組みの変化を超えて、私たちの思考に微妙かつ広範な影響を及ぼしている。今、人類の認知能力は進化しているのか、それとも侵されているのか。
一見すると、AIの利点は否定しがたい。ChatGTP、Claude、GeminiなどのAI文章作成ツールは、比類のない効率性をもたらしている。数秒でテキストを生成し、長文を要約し、言語を翻訳し、ゼロからレポートを作り上げる。しかも、近年は精度が著しく向上している。このように洗練された文章を素早く提供できるようになったことで、面倒な下書きの作業から解放され、より高度な概念づけや戦略的思考に集中できる期待が高まっている。しかしこれは、アウトプット段階を超えた影響をもたらし始めている。
答えから問いへ、焦点のシフト
最も興味深い変化の一つは、「問い」の技術がより重要になった点だ。AI搭載のチャットボットが高度化するにつれ、回答の質は問いの明確さと精度に左右されるようになる。曖昧または不適切に構成された問いからは、浅薄あるいは的外れな回答しか得られない。結果、私たちは知的探求において、より厳密なアプローチを求められるようになっている。
これは潜在的に、私たちの内面の明晰さを高める可能性がある。AIが登場する以前、私たちは複雑なテーマを感覚的理解や曖昧な直感に頼って切り抜けてきた。しかし今、思考を正確に表現する必要に迫られている。そして複雑なアイデアを分解し、隠された前提を洗い出し、明快で簡潔な問いを組み立てるようになっている。端的に言えば、AIは私たちを「AI的な考え方」ができるように訓練しているのだ。答えを書く前に、まずどんな問いを立てるかを深く考えるようになることは、有益である。
だが、テキスト制作の新しいアプローチがもたらすもう一つの影響は、あまり望ましいものではない。