2.コミュニケーションが上手
あなたがかなり辛い一日を送ったことを、想像してみてほしい。仕事で何か嫌なことがあり、いつもより無口になっている。あなたがまだ話せる状態ではないと伝えても、「不安型」のパートナーは「どうしたの?」と何度も尋ねてくるかもしれない。
あなたが沈黙を続けると、相手は自分が何か悪いことをしたと思い込み、「私のせい? 私が何か言った? 私に怒ってる? 」と矢継ぎ早に尋ね、どんどん不安を募らせていく。いつの間にかあなたは自分の感情ではなく、相手の感情に向き合うようになる。
一方、「回避型」のパートナーは何かがおかしいと気づくかもしれないが、実際には何も行動を起こさない。目を合わせないようにしたり、部屋を出て行ったり、あるいはあなたの苦悩に気づかないふりをしたりする。
「回避型」のパートナーは「話したければ、相手から何か言ってくるだろう」と考え、気持ちを寄り添わせることの重要性をまったく無視している。もし自分から何か働きかけるとしても、「大丈夫?」などと適当な言葉をかけるくらいで、あなたが「大丈夫」「そのことについては話したくない」と答えた途端、すぐに話を打ち切るだろう。
対照的に、「安定型」のパートナーは、あなたが無口になっているのは必ずしもふたりの関係からではないことに気づき、気配りする必要があると認識する。そして「今日は元気がないみたいだね。力になりたいけど、何が問題なのかわからないとそうもいかない。落ち着いたら話そうか?」と言う。
その口調は温かく率直で、プレッシャーは感じられない。あなたがイエスと答えたら、相手は注意深く耳を傾ける。ノーと答えたら、あなたがひとりで過ごすことを尊重しつつ、気が変わったらいつでも応じると念を押す。
こうした敬意と配慮に満ちた姿勢は、「安定型」の愛着スタイルの最も価値ある側面のひとつだ。専門誌『フロンティアーズ・イン・サイコロジー』に2015年に掲載された研究によると、これは情緒応答性と呼ばれるものだ。
理論的には、情緒応答性はオープンで健全な感情面でのつながりを維持しようと努力する能力を指す。そして実際には、情緒応答性のあるパートナーは感情面での入り組んだやり取りを避けたりはしない。難しい会話も恐れず、駆け引きしたり、受動的攻撃性を漂わせることもない。そうではなく、率直かつ思いやりをもってコミュニケーションを取る。
このような感情面での安心感をもつことは、カップルにとって究極の理想だ。誤解や「冷戦」、何を言っても無駄だと思うことが少なくなる。それどころか、何も言わなくても相手が自分のことを本当に理解し、耳を傾けてくれていると感じる。
「安定型」のパートナーは必要に応じて空気を読み、聞く必要がある場合には積極的に耳を傾ける。
3. 対立をエスカレートさせない
心理学者は以前から、「安定型」の人は恋人との関係を弱めるのではなく、むしろ強める方法で対立に対処することを指摘している。専門誌『アメリカン・ジャーナル・オブ・ファミリーセラピー』に掲載された研究が示すように、「安定型」のパートナーは言葉による関わりや自己開示、制約のない話し合いをするのが上手だ。
言い換えれば、「安定型」の人は意見の相違や対立を、関係全体を脅かすものではなくパートナーを理解する貴重な機会ととらえている。
例えば、あなたが悩んでいることをパートナーに打ち明けなければならないとしよう。パートナーが冗談や何気ない一言を口にし、それがあなたの神経を逆なでし、あなたは傷つく。あなたはパートナーを座らせて「話したいことがある。あなたがさっき言ったことで本当に傷ついた」と言う。