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モビリティ

2025.03.25 08:30

ソニー・ホンダ「AFEELA」ついに始動、水野CEOが語る勝算

水野泰秀|ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長 兼CEO

水野泰秀|ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長 兼CEO

Forbes JAPAN 2025年5月号は「新・ヒットの研究」特集。世の中で今、注目されている商品には、最先端のエッセンスが詰まっている。爆発的ヒット作の徹底分析と、次に来る消費トレンドの予測を通じて、これからのヒットの法則を探った。

スピードのソニー、品質のホンダ、ものづくりのトレードオフは今、価値創造に変化した。「まだまだ魅力は伝わっていない」ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長 兼CEO・水野泰秀の視線の先には、新たなモビリティの世界が広がる。


「Come on out, AFEELA! (出ておいで、アフィーラ!)」

1月6日、CES2025一般公開に先立って行われたソニーグループのプレスカンフェレンス。ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長 兼CEOの水野泰秀がスマホにそう呼びかけると、舞台袖からやや丸みを帯びたデザインの自動車が静かに姿を現した。その姿を撮影しようと、会場の記者たちが一斉にスマホを掲げる。まるでスターの登場だ。

車内は無人だが、舞台中央まで進むとピタリと停車した。水野はこの場面をこう振り返る。

「きちんと止まるようプログラムされています。とはいえ、機械ものは怖い。(一緒に登壇したソニーグループ社長の)十時裕樹さんだけはひかれないように、僕が間に立って体を張りました(笑)」

今でこそ軽快にジョークを飛ばす水野だが、当日はプレッシャーを感じていた。AFEELA が初めてお披露目されたのはCES2023。水野がCESでプレゼンをするのはそれ以来2年ぶりだが、前回とは状況が大きく異なっていた。

「今まではプロトタイプで、いざというときは言い訳が可能でした。しかし、今回は価格を発表して、オンライン予約の受付も始めました。お客様にコミットするわけですから、もう逃げられない」

今回発表した「AFEELA 1」は「Signature」「Origin」の2トリムで、価格は8万9900ドル~EVの燃費を表す航続距離(EPA)は約300マイル。

カリフォルニア州を皮切りに25年内に販売を開始し、納車は26年中旬を予定している。予約料は200ドル。キャンセルすれば返金されるが、代金の一部を預かる以上、確かにもう後戻りはできない。

水野は壇上で「AFEELA 1」を「人とモビリティの関係を再定義するという私たちのビジョンを体現する初のプロダクト」と位置づけた。

「今までは『人が主、車が従』の関係。かつ移動中の時間はあまり有効的に使われていませんでした。この関係性を変えたいんです。対等とまでは言えなくても、人とクルマがバディになり、乗っている人が楽しく、ドライバーとパッセンジャーの関係まで変えていくような車をつくれたらいい」

次ページ > AFEELAにAIエージェントを搭載

文=村上 敬 写真=ヤン・ブース

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