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サイエンス

2025.03.15 16:00

恋が一気に冷める「嫌悪感の正体」、感じやすい人の心理的特徴3つと克服のヒント

Shutterstock.com

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デート中に相手が何かひとつでもあなたの気に障る行動をとるまでは、すべてが順調だったという経験はないだろうか。奇妙かつ見苦しい癖が相手にあったり、思わず顔をしかめるようなスラングを相手が使ったり、あるいは相手の服装をどういうわけか気持ち悪く感じたり。

この理屈抜きの反応は「ick(イック)=『キモっ』という即座に抱く嫌悪感」として知られており、デートをする人がよく経験することだ。嫌悪感は突然、無意識のうちに生じ、なかなか拭い去れないことが多い。専門誌『パーソナリティ・アンド・インディビジュアル・ディファレンシーズ』に今年掲載された研究では、瞬間的に嫌悪感を抱くことになる、3つの心理的要因が指摘されている。

以下、研究で明らかになったことと、嫌悪感が本当の意味することについて紹介する。

そもそも嫌悪感とは一体何か?

「ick」という言葉はSNS上で大きな注目を集めており、特に若い人々の間で恋愛感情をもつ相手に突然抱く非合理的な嫌悪感を表現する際に使用される。

最近デートをする人たちの間で見られる現象のように思えるかもしれないが、研究の主執筆者であるブライアン・コリソン、エリアナ・サンダース、クロエ・インは、はるか昔から進化を遂げてきた感情である可能性が高いと示唆している。

彼らはインタビューで、「ickは自己防衛メカニズムとして、嫌悪が進化して生じたもの」だと説明。さらに「最初は病気に対するもので、その後、伴侶を選ぶ際に望ましくない特性を避けるために生じるようになった。この忌み嫌う感情は今に始まったものではない。唯一の違いは、今の若い世代が名前をつけたということだ」と語っている。

太古の昔、人々は伴侶の候補が生き抜くためのスキルをもたなかったり、子孫をもつのが難しそうだった場合、嫌悪していたと考えられる。身体に奇形があったり、不衛生であったり、病気などを抱えていたりする場合も然りだ。

 文明の初期には、病気や身体の弱さ、あるいはその他のリスクなどのために集団全体が滅びる可能性があったため、そうした特徴をもつ人々を排除することが不可欠だった。 そのため人々は「嫌悪」する特徴をもつ人とは、子孫を残すことを避けていた可能性が高い。

今日では嫌悪の対象は大きく変わり、滑稽なほどだが、いずれも本質的に何らかの「弱点」であることに変わりはない。ある意味、現代の嫌悪感は我々の先祖が伴侶にあるべきではないとみなしたであろう特性に似ている。

嫌悪の対象4つのカテゴリー

TikTokのユーザーが自身の感じた嫌悪感を説明した動画を研究者が分析したところ、嫌悪の対象となるものにはいくつかのカテゴリーがあることが分かった。以下、いくつか紹介する。

1. ジェンダーの不一致

研究対象となったTikTokユーザーのうち、女性の40%と男性の13%が、性別にそぐわない行動を取った人に対して嫌悪感を抱いていた。例えば、ある男性は「彼女がガムを男のようにゴミ箱に吐き捨てたとき」を挙げ、ある女性は「彼が私の肩に頭を乗せたとき」を挙げた。

2. 公衆の面前での困惑するような行動

女性の28%、男性の21%が公の場で困惑するような行動を取る人に対して、嫌悪感を抱いていた。ある男性は「女の子同士で酔っ払ってハメを外している」ことが嫌だと指摘し、ある女性は「ナイトクラブで曲名検索アプリの『シャザム』を使って曲を特定している」男性に嫌悪感を抱くと述べた。

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翻訳=溝口慈子

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