サイエンス

2025.03.15 16:00

恋が一気に冷める「嫌悪感の正体」、感じやすい人の心理的特徴3つと克服のヒント

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3. 流行りを過剰に意識

男性の29%、女性の9%は、恋人になるかもしれない人が流行を必死に追いかけようとすることを嫌った。例えば女性は「必死に流行に乗ろうとしている」男性を嫌い、男性は「占星術に熱中している」女性を嫌った。

4. 外見

男性の15%、女性の6%が嫌悪感を抱くものとして、時々目にする相手の外見を挙げた。例えば、ある女性は「相手がかがんだときにお尻が見える」ことに嫌悪感を抱くと述べ、ある男性は「彼女が座ったときに足が床につかなかった」ことに嫌気がさしたと語った。

全体的に、嫌悪感を抱く対象はさまざまだ。だが簡単に言えば、一度気づいてしまうと無視できなくなる、些細な欠点に対して抱くのが嫌悪感だ。

また、研究では女性(75%)の方が男性(57%)よりも嫌悪感を抱く可能性が高いことも明らかになった。この点について、社会的要因と生物学的要因の両方による可能性が高いと研究者は説明している。「生物学的観点から見ると、女性の方が嫌悪感を覚える可能性が高いのは、出産・育児にかかる労力が大きいからかもしれない」という。

さらに「SNSはユーザーの声を拡散して正常化を生み出す拡声器のようなもの。社会的に認められることを通じて正当化されるようになる、内面化された伴侶選別の行動なのかもしれない」と続けた。

嫌悪感が高まる3つの心理的特性

しかし性別や進化論を超えて、ある疑問が残る。なぜ一部の人々は、他の人々よりも嫌悪感を強く感じるのか。研究によると、主に3つの心理的特性が重要な役割を果たしているという。

1. 嫌悪感の感受性

嫌悪感の感受性とは、不衛生さや奇妙な癖、特定の社会的行動など、嫌悪感を抱く対象に対して個人がどれほど強く反応するかを指す。研究チームによると、嫌悪感への感受性が高いほど、嫌悪感を覚える可能性と頻度が高まるという。

つまり、些細なことに嫌悪感を抱く傾向が強い人は、取るに足りないことでも恋愛相手を拒絶する可能性が高い。嫌悪は自己防衛のメカニズムとして進化してきたため、一部の人の嫌悪感の感受性は、生まれつき高いことが示唆される。当然ながら、これは異性との付き合いを非常に困難にする可能性がある。

2. ナルシシズム

この研究におけるナルシシズムは、必ずしも自己愛性パーソナリティ障害を意味するものではなく、自分の能力の過大評価や特権意識、賞賛されたいという欲求をもつ傾向にあることを意味する。

研究では、ナルシシズムと嫌悪感を抱く可能性(頻度ではない)との相関関係が認められた。つまり、ナルシストの人は嫌悪感を頻繁に経験するわけではないが、嫌悪感を抱くときには、相手が自分の理想像と一致しないことが理由である可能性が高い。

ナルシストの傾向がある人は、往々にして自分の社会的地位を高めてくれる相手を求めるため、どんなに些細な欠点でも相手を拒絶する理由となり得るのだ。

3. 完璧主義

ナルシシズムとは異なり、完璧主義は嫌悪感の抱きやすさに加え、頻度にも関連していた。これは、厳格で高い基準をパートナーに求める人ほど、嫌悪感をより頻繁に、強く抱く傾向があることを示唆している。

完璧主義の人は理想的な関係とはどのようなものかを思い描いており、相手のファッションの好みや人付き合いのぎこちなさ、些細な癖など、理想像から少しでも逸脱していれば、別れにつながる可能性がある。

理想を高く掲げることにはメリットもあるが、過剰に完璧主義だと関係を長く続けることが難しくなる。「嫌悪感は真の相性の悪さというよりも、むしろ非現実的な期待や理想のパートナー像からの逸脱によるものである可能性が高い」と研究者は説明している。

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翻訳=溝口慈子

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