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2025.03.10 11:00

ツイッター共同創業者の「いいねがないSNS」Mozi、リアルでのつながりを重視

Shutterstock.com

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デジタル空間がエンゲージメント指標に支配される中、ツイッター(現X)の共同創業者エヴァン・ウィリアムズによる新たなSNSアプリは、従来のソーシャルメディアとは異なるアプローチを取ろうとしている。

「Mozi」と名づけられたこのSNSは、オンライン上での交流ではなく、現実世界でのつながりを促進することに重点を置くものだ。

数カ月前にソフトローンチされたMoziは、公開プロフィールやフォロワー数を持たないSNSだ。「かつてソーシャルアプリと呼ばれていたものは、ソーシャルではなくなった。それらは進化の過程でメディアやエンターテインメントの要素が強くなってしまった」とウィリアムズは最近のブルームバーグの取材に述べていた。

Moziは、ウィリアムズの投資ファンドのObvious Ventures(オブビアス・ベンチャーズ)を含む複数の投資家から600万ドル(約8億8400万円)を調達している。他の投資家には、Path(パス)の共同創業者のデイブ・モーリンやFoursquare(フォースクエア)の共同創業者デニス・クラウリー、そしてMusical.ly(現在のTikTok)の共同創業者アレックス・ホフマンなど、SNS分野の著名な起業家が名を連ねている。

リアルでのつながりを促進させる

Moziは、ウィリアムズ自身の社会的なつながりに対する気づきから生まれたという。彼は、人生の節目となる50歳の誕生日を迎えるにあたり、「自分がこれまで満足のいく交友関係を築けていなかったことに気づいた」とブルームバーグに語っている。そのためウィリアムズは、エンゲージメント指標よりも意味のある人間関係を優先するプラットフォームの必要性を感じたという。

Moziは、アプリのユーザーである知人が同じ都市にいる際に通知を届け、近くで開催されるイベントに誰が参加する予定なのかを知らせる。また、最近追加された「ローカルプラン」機能を用いて、ユーザーは自身が参加予定のイベントを共有し、連絡先リストにいる他のユーザーが興味を持てば参加できる仕組みになっている。

この「リアルなつながりを促進する」というスタンスは、ウィリアムズがこれまで手がけてきたツイッターやBlogger(ブロガー)、Medium(ミディアム)などの主にテキストを中心とした情報発信を目的としたプラットフォームとは大きく異なるものだ。

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編集=上田裕資

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