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経済・社会

2025.03.01 11:00

SNSのデマ拡散防止に「コミュニティノート」方式が役に立たない可能性

Shutterstock.com

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米国人のSNSユーザーは、健康関連の誤情報への対処に関して、X(旧ツイッター)が導入している「コミュニティノート」方式よりも、外部の独立したファクトチェック機関を好む傾向が強いことが知られている。

フェイスブックやインスタグラムを運営するメタは、これまで、外部のファクトチェックのチームを用いて誤情報の監視や削除を行ってきたが、同社は今後、Xと同様のモデルへ移行する計画を発表した。ボストン大学の研究者によれば、この動きはユーザーから支持されない可能性が高いという。

最近のある調査では、米国の成人の約3分の2が「公衆衛生に関する未確認の情報がSNS上で広がった場合に、外部の独立したファクトチェック機関による検証が許容されるべきだ」と回答した。また、これと同程度の割合のユーザーが、「公衆衛生に関する不正確な情報を、SNS企業が目立ちにくくすることが許容されるべきだ」と述べていた。

また、それとは対照的に、コミュニティノート方式を支持するユーザーは、全体の半数以下にとどまっていた。ただし、この仕組みの支持率には支持政党ごとの違いがあり、この仕組みを好むと回答した人々の割合は、民主党支持者では73%、無党派層では62%、共和党支持者では55%となっていた。

研究者たちは、誤情報の排除にあたっては、独立した外部機関によるファクトチェックの方がはるかに効果的だと述べている。

ボストン大学コミュニケーション学部のミシェル・アマジーン准教授は、「SNSへの投稿が正確かどうかをユーザーに委ねる取り組みは、成果を上げられない場合が多い。コミュニティノートの仕組みを採用しているSNSは、依然として誤情報に満ちている」と述べている。

同准教授はさらに、「SNSが、コンテンツの管理責任をユーザーに押し付けることは、そのプラットフォームが権力者による偽情報の拡散を助長するリスクを高めることになる」と述べて、トランプ大統領の第2期政権が、この問題をさらに悪化させる可能性があると指摘した。

「SNSにおける情報の正確性を担保するための取り組みは、特に偽情報をツールとして利用してきた経歴を持つ政権が発足した中で、極めて重要になっている」とアマジーン准教授は述べている。

左派系シンクタンクのブルッキングス研究所は最近、ワクチンの懐疑派として知られたロバート・ケネディ・ジュニアが保健福祉省(HHS)の長官に任命されたことの危険性を指摘した。

「陰謀論の推進に注力しているケネディの発言は、ワクチンに関する誤情報の主要な発信源の1つと見なされている」と同研究所は述べていた。

情報環境に関する国際パネル(IPIE)が昨年9月に発表した調査結果よると、信頼できるオンラインニュース環境を脅かす最大の勢力はSNSプラットフォームで、それに続くのが国内外の政府や政治家だった。また、回答者の約3分の2が、「今後状況はさらに悪化する」と予想していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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