スイスのセキュリティ関連のソフトウェア企業、Proton(プロトン)が新たに開示した透明性レポートで、グーグル、アップル、メタの3社が米国政府に提供したユーザーアカウント数は、過去10年間で6倍以上に増加したことが判明した。
Protonの分析によると、これらの企業は過去10年間で合計310万件のアカウントデータを米当局に提供しており、その内容にはメールやファイル、メッセージを含む、極めて個人的なデータが含まれていた。
2014年末から2024年初頭にかけて、グーグルが提供したアカウント数は530%増加しており、メタが提供したアカウント数も675%増加した。アップルもまた、同期間に632%の増加を記録したが、同社は2022年後半に異例の30万件以上のアカウントを提供していた。
Protonによれば、米国政府からのデータ要求の件数は過去10年の間、政権の党派を問わず急速かつ一貫して増加したという。
「米国政府はかつて、国家安全保障局(NSA)のような組織が運営する大規模で複雑かつ法的に問題のある監視システムに依存していた。しかし、監視資本主義の台頭により、もはやその必要はなくなった」とProtonの最高執行責任者(COO)のラファエル・オーファンは述べている。
「政府は、カリフォルニア州のビッグテックにリクエストを送るだけで知りたいことをほぼすべて把握できる。そして、ビッグテックが広範なエンド・ツー・エンドの暗号化を導入しない限り、これらの膨大な個人データの蓄積は悪用される危険性がある」とオーファンは続けた。
米国政府によるデータ収集の規模は、他の多くの国を大きく上回っている。実際、直近1年間のデータによると、グーグルとメタが受け取った米国政府からのデータ要求数は50万件近くに達しており、これは「フォーティーン・アイズ」と呼ばれる14カ国(米国、英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、デンマーク、フランス、オランダ、ノルウェー、ドイツ、ベルギー、イタリア、スウェーデン、スペイン)のうちの米国以外の国からの要求数の合計を上回っていた。